電子書籍事業者5社が共同で「日本電子書店連合」を発足

2018年4月18日 20:22

 インターネットやスマートフォンの普及に伴い、発展著しい電子書籍。しかし、詳しくは後述するが海賊版問題など、国政レベルで対処しなければならない問題も数多く生じており、個々の電子書籍出版社だけでは対応の難しい状況が多々ある。そうした背景を受け、電子書籍事業を行う5社、すなわちアムタス(めちゃコミック)、イーブックイニシアティブジャパン(ebookjapan)、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ(コミックシーモア)、パピレス(Renta!)、ビーグリー(まんが王国)が発起人となって、「日本電子書籍連合」が発足した。

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 こんにち、電子書籍市場は毎年二桁の成長を続け、2017年には約2,000億円の市場規模を達成したという(出版科学研究所調べ)。そのうち8割は電子コミックが占めており、成長のけん引役となっている。2017年には、ついにコミックス売上において電子版が紙書籍を破るという、時代の転換点とでも言うべき事態も生じた。

 しかしその一方で、悪質な海賊版サイトによる違法あるいは脱法的な著作物の利用など、さまざまな問題が生じ、政府レベルで対応が協議されるに至っている、という現実もある。特定のサイトに対する「ブロッキング」の施行が検討されたり、その他にも著作権保護に対する新たな法整備の動きもある。

 一方でもちろん、読者に対する正規版購入への啓蒙活動も不可欠であり、これはインターネットを通じて読者へコンテンツを届けている立場にいる電子書店が率先してこれを担うべきである、と連合は語る。そうした事情で、この団体は設立されたわけである。

 正式な名称は、日本電子書店連合(Japan E-Bookstore Association)。活動内容は3つ掲げられている。1.電子書籍読者への正規版購入の理解と啓蒙活動、2.電子書籍市場関係者との連携を含む海賊版サイト対策、3.その他健全な市場発展を阻む事象への対応、である。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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