進化している道路塗装、事故防止に効果絶大

2018年4月16日 13:48

 事故防止対策用道路塗装の効果が絶大であることが分かった。各地で導入されている道路舗装の最新技術には、滑りにくい赤い舗装や反射力の高いビーズを入れた白線などが開発されてきた。

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 事故数を大幅に減らした名古屋高速道路公社によると、名古屋市中心部を走る名古屋高速都心環状線の事故多発地点だった12の急カーブで赤い舗装「透水性レジンモルタル」を施したところ、数年で事故件数が3分の1に激減したという。公社によると半径約90メートルの急カーブは時速50キロに制限されているが、時計方向に回る環状線は追い越し車線が内側カーブとなり、速度も出て事故が起きやすい構造だ。

 この透水性レジンモルタルは樹脂とセラミックを混ぜたもので、バスレーンなどを目立たせるのにも使われているが、タイヤの滑り止め効果も大きいという。公社では2009年に最初の1カ所を工事、13年ごろには赤い舗装を追い越し車線に施したところ、14年度の事故件数が227件から15年度は103件に半減し、16年度は76件に減ったという。首都高速でも透水性レジンモルタルを08年度から導入、事故の多いカーブ区間約50カ所で導入、16年度に8カ所で事故発生数を調べたところ、前年度より事故が約7割減ったという。同じく阪神高速も20カ所で導入しており、ここでも事故は5割から8割に減ったという。

 通常、白線に使われる塗料には小さなガラスビーズを混ぜ合わせて光を反射させているが、反射を強めるため塗料が乾く前にもビーズをふりかけている。道路標示・舗装材を手がける日本ライナーの新製品では、「スワロフスキー」製ビーズと、高反射エレメントという小さなビーズを無数に固めた特殊ビーズを併せて使い効果を高めている。この製品の輝きは従来品の約3倍にもなり、雨天時の路面でも従来品の晴天時より反射性能は高く視認性は良いという。

 一方、道路標示の新技術の研究も進んでいて、愛知県の豊橋技術科学大学では道路舗装製造の「キクテック」と共同で、紫外線が当たると白から赤や青に光る道路標示を開発中だ。またプロジェクターで路面表示の記号や文字を投影する技術も開発中で、横断待ちの歩行者がいると路面に注意喚起の「記号」を映し出せるといい、道路標示の新たな進化を見る日も近い。(編集担当:久保田雄城)

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