世界一辛い唐辛子を食べ男性、可逆性脳血管攣縮症候群を発症
2018年4月15日 15:12
headless曰く、 世界一辛い唐辛子「Carolina Reaper」を食べたことで可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)を発症したとみられる症例がBMJ Case Reportsで報告されている(BMJ Case Reportsの報告書、Ars Technica、Register)。
患者は大きな病歴のない34歳の男性で、雷鳴頭痛(突発性で短時間の強い頭痛)を訴えて救急処置室に来院。症状は唐辛子コンテストに参加してCarolina Reaperを1つ食べた後、嘔吐のない吐き気に始まり、頸部と後頭部の強い痛みが頭全体に広がったという。その後2日間、数秒間の雷鳴頭痛が少なくとも2回はあり、男性は痛みに耐えかねて来院した。
男性の血圧は正常で神経学的な問題もなく、尿検査や頭部および頸部のCTにも異常はみられなかったが、CT血管造影の結果、内頚動脈と脳動脈の一部で内腔の収縮が確認される。この結果から雷鳴頭痛の原因はRCVSと推定して治療を行ったところ、症状は改善。5週間後のCT血管造影ではRCVSと関連付けられた内腔収縮も改善していたそうだ。
これまで唐辛子の摂取と冠攣縮狭心症や急性心筋梗塞を結びつける症例は報告されているが、RCVSの症例が報告されるのは初めてだという。今回の症例では血管作動性物質に接触した直後に症状が始まっていることから、Carolina ReaperがRCVSの原因になったと考えるのが妥当とのことだ。
なお、Carolina Reaperは現在ギネス世界記録で世界一辛い唐辛子 (Hottest chilli pepper)に認定されており、スコビル値は平均1,641,183スコビル。昨年は英国で248万スコビル以上という「Dragon's Breath」が開発され、Carolina Reaperの開発者も318万スコビルに達する「Pepper X」を開発しており、世界一辛い唐辛子の座は一時空位になっていたが、Carolina Reaperが以前の記録(平均1,569,300スコビル)を更新して再び世界一の座についていたようだ。