セブン&アイとイズミが業務提携、西日本で共同店舗や共同調達へ
2018年4月7日 09:02
セブン&アイ・ホールディングスと中国、四国、九州でショッピングセンター「ゆめタウン」などを展開するイズミは5日、業務提携で合意したことを明らかにした。西日本での共同店舗経営や商品の共同調達などを進めるほか、広島県福山市入船町のイトーヨーカドー福山店をイズミが継承する。
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業務提携により、セブン&アイHDとイズミは、仕入れの統合や輸入品、地域産品の共同調達、電子マネーの相互開放、自主企画商品取り扱いの協力などを進めるとともに、2019年春をめどにイトーヨーカドー福山店をイズミに引き継ぐ。さらに、西日本で店舗の共同運営、共同出店について検討を進める計画。
セブン&アイグループの総合スーパー・イトーヨーカドーは、店舗が東日本中心。イズミと業態が重なるものの、店舗数が少ない西日本では相互に補完し合う関係になれるとして提携に踏み切った。
一方、イズミは中国、四国、九州を中心にショッピングセンターの「ゆめタウン」、ショッピングモールの「ゆめモール」を展開し、新規出店を加速させている。セブン&アイHDとの提携で有形無形のさまざまな効果を期待し、企業価値を大きく高められるとみている。
イトーヨーカドー福山店は、日本化薬福山工場跡に1999年に開業した複合ショッピングセンター「ポートプラザ日化」において、天満屋ハピータウンポートプラザ店とともに、核店舗となっている。イズミはイトーヨーカドー福山店の継承により「ポートプラザ日化を地域一番の商業施設としてより魅力的なものにしたい」としている。
総合スーパーはドラッグストアやディスカウントショップなどとの競合が激化する一方、アマゾンなどインターネット通販の攻勢にさらされ、構造改革を迫られている。今回の提携は西日本での販売強化を目指しているセブン&アイHDと、中国、四国、九州で足場を固めたいイズミの思惑が一致したとみられている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)