JR東、新しい「蓄電システム」を開発へ 山梨県などと協力
2018年4月3日 08:28
JR東日本は3月29日、JR東日本研究開発センター環境技術研究所が中心となって推進している「鉄道用超電導フライホイール蓄電システム」の開発に関して、山梨県および鉄道総合技術研究所と相互に連結することで合意したと発表した。
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今後、山梨県甲府市の米倉山電力貯蔵技術研究サイトにて行っている超電導フライホイール蓄電システムの開発に、山梨県が協力。超電導磁気軸受などの技術を有する鉄道総合技術研究所は、システムの技術評価などを行う。
超電導フライホイール蓄電システムは、電車のブレーキ時に発生する電気エネルギー(回生電力)を有効活用するために用いられる。「フライホイール蓄電システム」とは、装置の内部にある大型の円盤(フライホイール)を回転させることによって、回生電力を運動エネルギーとして貯え(充電)、必要に応じて運動エネルギーを再び電力に変換(放電)するシステムのこと。「超電導フライホイール蓄電システム」では、この軸受部分に超電導技術を採用し、フライホイールを浮上させ、非接触としている。
フライホイール蓄電システムには、蓄電池と比較して充放電の繰り返しによっても性能が劣化しない利点がある。さらに、超電導フライホイール蓄電システムでは、軸受部分が非接触となるため、損失によるエネルギーの減少を抑制するだけでなく、軸受の摩耗がなくなるため定期的に大規模なメンテナンスを行う必要がなくなる。
JR東日本では、「技術革新中長期ビジョン」に掲げる “鉄道エネルギーマネジメントの確立” のため、地上用蓄電技術などを活用したエネルギー効率の向上をめざしており、今回の開発や協力もその一環だ。今後は協力して開発を進め、超電導フライホイール蓄電システムの鉄道分野における世界初の実用化を目指すとしている。(記事:M_imai・記事一覧を見る)