NEC、中央労金に金融商品販売支援システム提供 業務を効率化
2018年4月1日 06:41
NECは3月30日、中央労働金庫に「預かり資産販売支援システム」を提供したと発表。債券や投資信託、保険商品の預かり資産商品販売業務において、事務作業の効率化やコンプライアンス強化、提案力の向上を図るためのシステムだ。システム導入により、紙で行っていた従来の預かり資産販売業務を労働金庫業態で初めてペーパーレス化する。
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預かり資産とは金融機関が顧客から預かった投資信託などの資産のことを指す。これらの預かり資産商品には金利や価格、為替の変動などのリスクがあり、市場環境に大きく左右される。元本が保証されない商品だ。
顧客に対しては法制度の改正に伴うルール変更を踏まえ、遵守したうえでの取引や専門知識に裏打ちされた丁寧な説明が求められる。同時に顧客対応をスムーズに行えるよう、事務処理の効率化も図る必要がある。NECによる販売支援システムは、そのような業務内容の改善を後押しするものである。
システムを利用すれば顧客の年齢や借入金といった属性、取引履歴などから商品との適合性を確認しつつ業務を進められるうえ、法律が変わった時も迅速な対応が可能。渉外職員がより確実にコンプライアンスを守りながら提案や販売を行えるようになる。
また手続きのミス減少にも寄与する。提案可否確認から商品の提案、決定までの一連の事務進捗状況に対応した適切な手続き内容の画面表示、入力内容に基づいた各種帳票の自動生成が可能だ。タブレット端末を活用した電子サイン機能によって、顧客の注文情報確認といった意向確認の登録も外出先からペーパーレスでできる。
さらに顧客の年収、職業などの基本情報、運用目的や投資経験、投資資産割合などの意向、相談内容を登録した「お客さまカード」を基に、要望に合った推奨商品、販売可能商品を自動で表示する。
各種の法令やガイドラインに則った対応ができるようサポートしてトラブルや事故を防ぎ、一方で事務作業の時間を削減すると共に提案活動の効率化も図るシステムである。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)