「#関東雪結晶プロジェクト」が成功!一般人参加のシチズンサイエンス広がる

2018年3月27日 17:15

 一般人が雪の結晶をスマートフォンなどで撮影し、気象の研究に役立てる「関東雪プロジェクト」が、有用な結果をもたらしたと気象庁気象研究所が発表した。

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 気象研究所は2016~17年にかけて「#関東雪プロジェクト」を行った。これは落ちてきた雪が結晶になっているのを見つけたら、スマホなどで撮影し、電子メールやTwitterなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で送信するというものである。

 積雪の被害は首都圏においても、毎年のように報告されている。交通機関がストップするなど、実際に積雪の被害を受けた人も多いだろう。

 積雪の被害を防ぐ方法の一つとして、降雪の予測が挙げられるが、現在の状況として降雪の予測は難しく、降雨から降雪に変わる仕組みなどの研究もあまり進んではいない。特に観測データが圧倒的に足りておらず、それが研究の進まない要因の一つとなっていた。

 そこで一般人の力を借りて、データを収集し、研究を進めようというのが今回のプロジェクトである。

 科学の世界では、一般人が科学の研究に参加する「シチズンサイエンス」というものが注目されている。これは研究者だけではカバーできない、広域のデータ収集などを一般人に参加してもらう、というものである。

 もちろんそこには、一般人にも科学を身近に感じてもらい、科学に理解を示してもらうという目的も含まれている。

 気象研究所の発表によると「#関東雪プロジェクト」に送られてきた雪の結晶の写真は1万枚を越え、この中で73%が雲の解析など、研究利用が可能な写真であったという。その要因の一つとして、100円ショップなどで販売されている、倍率約10倍のスマートフォン用のマイクロレンズを挙げている。

 また、今回のように広域での高密度な雪の結晶の観測は、世界でも初めての取り組みであり、将来の降雪予測に繋げていきたいと報告書には記している。

 さらに気象研究所は観測データの蓄積が必要であるとして「#関東雪プロジェクト」の継続を発表した。今年の冬まで待つことになるが、関東圏在住の人には、ぜひ参加してもらいたい。(記事:和田光生・記事一覧を見る

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