車載電装システムの世界市場、ADAS・自動運転システムが拡大へ
2018年3月16日 22:02
富士キメラ総研は15日、車載電装システム世界市場の調査結果を発表した。
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■ADAS・自動運転システムの世界市場
25年の市場は16年比2.8倍の2兆3,426億円と予測している。
ADASはカメラやレーダーからのセンシング情報をドライバーに警告、または自動で制御を行う安全支援システムを指し、AEB(衝突被害軽減ブレーキ)やACC(定速走行・車間距離制御装置)などの各機能の総称であるという。
自動運転システムはセンシングデバイスを用いて周辺環境の検知・認識を行い、自動制御を可能とする技術で、ADASの延長線上に位置するとしている。
ADASは17年より部分的な自動化を可能とするシステムを搭載する車両が続々と登場しており、オプションによる採用ながら拡大傾向にあるという。
自動運転システムは17年に条件付き自動化を可能とするシステムが量産車両へ搭載されたが、自動運転車の走行を前提とした法整備が遅れているため、現状ではハンドルやブレーキ、アクセルから手足を離して走行することはできないという。
法整備が進むことで20年以降徐々に上昇するとしているが、高価格であるため多くのユーザーが選択できる環境になるのは25年より先になると予想している。
そのため比較的安価に安全性向上を図ることができるADASが25年時点でも80%近くを、数量ベースでも97%の大多数を占めるとされている。
■ドライバーモニタリングシステムの世界市場
25年の市場は16年比6.1倍の1,014億円と予測している。
ドライバーモニタリングシステムとは車載カメラやセンサーなどを使用して、ドライバーの状態を検知するシステムを指している。
居眠り運転対策や車内での子供放置対策による搭載が進んでいるという。条件付き自動化が可能となる段階において、緊急時に自動運転からドライバー運転への切り替えが必要となるため、ドライバーのモニタリングが欠かせなくなるとしている。
■車載電装システムの世界市場
25年の市場は16年比79.6%増の35兆404億円と予測している。
HV(ハイブリッド自動車)・PHV(プラグインハイブリッド自動車)・EV(電気自動車)・FCV(燃料電池自動車)系システムが大幅に伸びることから、環境や安全に関わるシステムの構成比は72%に上昇するとみられている。