スルガ銀行は「かぼちゃの馬車」でどこへ行く!(4)
2018年3月13日 11:57
「かぼちゃの馬車」というシェアハウスを運営していたスマートデイズ社が、サブリース賃料の支払いを停止したことから表面化した問題は、初めから仕組まれていたのではないかという見方が強くなっている。スルガ銀行の果たした役割は、あまりにも重い。
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スルガ銀行は「かぼちゃの馬車」に係る融資を、ほとんど一手に引き受けていたと言われる。他の銀行はシェアハウスへの融資に消極的か、融資対象としていない。そんな中でシェアハウスへの融資に抵抗がないと思われていたのがスルガ銀行で、その中でも特に取り扱いが多いと特定の支店名が囁かれるようになってきた。
ほとんどの銀行がシェアハウスへの融資に消極的であるのに対して、スルガ銀行にはそういう縛りがなかったのか?いくらイケイケどんどんの支店長と言っても、社内の決まりを破ってまで独断専行することはあまりないが、明確に決められていないか、曖昧な決まり事であれば、巧妙に抜け道を見つけて、暴走する支店長はいる。ローンの取り扱いが特定の支店に集中しているのであれば、その支店を差配していた支店長の個性がもたらした可能性が大きい。
「かぼちゃの馬車」は土地代金も建築代金も、相当厚い下駄をはいていた可能性が高い。担保となる土地の地価評価や、建築金額の妥当性を適正に評価していれば、担保評価額と融資金額のバランスが成り立たず、融資対象として不適切であるとの判断に落ち着く筈だ。巷間伝えられる中でポイントと考えられるのは、(1)申込書に記載した資産金額が改ざんされて、一桁多くなっていた(2)申し込みもしていないのに「決まりですから」と、金利の高い別なローンを抱き合わせで申し込みさせられた(3)スルガ銀行の支店で、「かぼちゃの馬車」購入ローンの説明会が開催されていた、ことだ。
(1)の件は、スルガ銀行の内規を意識して、書類上の見栄えを良くしたか、資力があるように見せかける小細工と感じられる。(2)は申込者が断れないような優越的地位の濫用だ。銀行の稼ぎがより膨らむように顧客を強制する、不適切な行為の気配がある。(3)は言わずもがなで、銀行の建物内で怪しい説明会が開催されると警戒する人はいない。銀行の信用を逆手に取った背信行為という訳だ。この(1)~(3)は支店長の指示があれば、支店内で完結してしまう。支店長の指示に抵抗することは至難だ。スルガ銀行には不適切行為を内部告発する通報制度は、なかったのだろう。
ローンの審査がチェックリスト形式の簡易なものであることは既に記載した。合計〇〇点以上なら採択、以下なら否認というイメージだ。何しろローンは大量の案件を効率的に処理するところにメリットがある。そして基準をクリアしていれば保証会社の債務保証が付保され、銀行がロスを被ることや回収に時間を要することがない。そのため往々にして、「保証会社の保証が取れればいいんだ」という感覚に染まってしまう輩(やから)が出現する。その輩が支店長だったら・・・(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)