「健康経営優良法人2018」はホワイト企業選びのヒントになるか

2018年3月12日 18:11

 2019年春に大学を卒業する大学生を対象にした会社説明会が3月1日に解禁され、経団連加盟企業の採用活動がいよいよ本格的に動き出した。就活市場は相変わらず売り手有利といわれる状況が続いているが、だからといって学生ものんびりとはしていられない。

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 厚生労働省が公表している「新規学卒者の離職状況」によると、大学新卒者の入社1年以内の離職率は11.3%となっている。第一志望の企業に入社できたのはいいが、実はブラック企業で、すぐに退職してしまったなんてことにならないようにしたいものだ。

 そんな中、経済産業省と日本健康会議が主催する「健康経営優良法人2018」(ホワイト500)が2月20日に発表され、大規模法人部門に541法人、中小規模法人部門に775法人が「健康経営優良法人2018」に認定された。

 同制度は、日本健康会議が進める健康増進の取り組みや、地域の健康課題に即した取り組みを行っている企業の中でも、とくに優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度だ。認定基準は、「経営理念(経営者の自覚)」「組織体制」「制度・施策実行」「評価・改善」「法令遵守・リスクマネジメント」など5項目をさらに細かく分類して評価され、身体の健康管理体制だけに留まらず、適切な働き方実現に向けた取り組みや管理職又は一般社員に対する教育機会の設定、コミュニケ-ションの促進に向けた取り組みなど、メンタル面での社内体制にまで言及している。

 学生の街といわれる京都では、大規模法人部門において、衣料品メーカー大手のワコールホールディングスや、電子部品大手のローム、京都銀行などが認定されている。また中小規模法人部門でも、プラスチック成型のミヤコテック、包装資材などを取り扱うパックス・サワダ、老舗タクシー会社の山城ヤサカ交通など多くの企業が選出された。

 例えば、ワコールでは「ワコール健康宣言」のもと、女性従業員が外部医療機関で乳がん・子宮がん検診を定期健診時にセット受診できる環境整備や事業所内でのバス検診の実施などのほか、昨年からは健康増進に役立つ行動や成果に対してポイントを付加する制度を導入している。女性用下着のトップメーカーだけあって、とくに女性が働きやすい環境づくりを心掛けているようだ。

 また、全社禁煙で有名なロームをみてみると、通常の健康診断に加え、メンタルヘルス講習会やリラクゼーションセミナー、食・健康に関するセミナーなどの開催や、労働災害を防ぐための作業環境測定を定期的に実施するなどのほか、タイの生産拠点でも、タイ政府の専門機関と協働で社員や食堂シェフに対する食育を行うなど、国内外を問わず徹底した健康管理体制を敷いている。

 細かくみてみると、健康管理体制にも企業ごとの特色や理念が色濃く表れている。就活生にとっては、就職先を検討する際の参考にもなるのではないだろうか。(編集担当:石井絢子)

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