好調な日高屋と客数減の一風堂、幸楽苑、餃子の王将 ラーメン店2月売上
2018年3月10日 10:25
ラーメンチェーンが2月の売上を発表し、客単価や客数が堅調な日高屋が好調を維持する一方、一風堂や幸楽苑、餃子の王将では客数の減少を客単価や新規出店で補っている状況が続いていることが分かった。
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■一風堂は既存店客数の前年比マイナスが続く
5日、「一風堂」を展開する力の源ホールディングスが2月の月次業績動向を発表した。国内店舗における前年同月比で既存店売上高が98.4%、客数が95.4%、客単価が103.2%、全店売上高が104.4%、客数が101.1%、客単価が103.2%だった。
今期(2017年4月~18年3月)の既存店では、客単価の前年比プラスが続く一方、客数は前年比マイナスとなっている。特に7月の91.8%、1月の92.1%と90%台前半の月もあった。その結果、既存店売上高は4月に100.0%と前年並みになった以外は、5月以降、前年比マイナスが続いている。
店舗数が増加していることで全店売上高のプラスが続いているものの、店舗数は期初4月の100店舗(うち一風堂が80店、RAMEN EXPRESSが20店)から2月では105店舗(同81店、24店)となっており、前期4月の87店(同73店、14店)から期末3月の93店(同76店、17店)と比べて出店ペースが横ばいの様子。同社は、2025年に国内300店舗(うち一風堂150店)との目標を掲げていたが、達成は難しそうだ。
■日高屋は客数、客単価ともに堅調
5日、「日高屋」を展開するハイデイ日高が2月の売上高速報を発表した。前年同月比で既存店売上高が104.0%、客数が102.0%、客単価が102.0%、全店売上高が106.8%、客数が104.8%、客単価が101.9%だった。
今期(2017年3月~18年2月)の既存店客数が前年比マイナスとなったのは、7月(99.4%)、10月(98.3%)、1月(99.8%)と3カ月のみで、客単価が1年を通じて前年プラスとなったことで、通期でも既存店売上が102.3%と前年比プラスとなっている。
店舗数は期初3月の397店から2月の413店と16店の増加。首都圏600店舗の目標を掲げているが、2030年頃には達成できそうだ。
■幸楽苑の店舗転換はどうなる?
5日、「幸楽苑」を展開する幸楽苑ホールディングスが2月の売上推移速報を発表した。前年同月比で直営既存店売上高が93.1%、客数が92.6%、客単価が100.6%、直営全店売上高が94.6%、客数が93.4%、客単価が101.3%だった。
今期(2017年4月~18年3月)の既存店では客単価こそ前年比プラスが続いているものの、客数は11カ月中9カ月で前年比マイナス。2月までの累計で既存店売上が99.1%、客数が98.1%、客単価が101.1%となっており、前年並みの確保も厳しい状況。
ただし同社で注目したいのは、不採算店の閉鎖と「いきなりステーキ」への店舗転換だ。期初4月の店舗数が514店で、その内既存店が475店だったのが、この2月は530店、その内既存店が456店となっており、激しく店舗を閉鎖・転換したのが伺える。もっとも「いきなりステーキ」の出店は2月時点で2店(福島太平寺店、会津千石店)に留まっており、もう少し様子を見る必要がありそうだ。
■王将はキャンペーンで売上アップ
9日、「餃子の王将」を展開する王将フードサービスが2月の月次売上高を発表した。前年同月比で、直営既存店売上高が104.4%、客数が101.0%、客単価が103.3%、直営全店売上高が107.1%、客数が103.8%、客単価が103.2%だった。
月次動向によると、大雪の影響により北陸地方の店舗で一部休業となったものの、昨年12月に実施した創業祭の割引券や1月開始のキャンペーンの効果により、客数、客単価ともに好調だったとのこと。しかし今期(2017年4月~18年3月)の既存店を振り返ると、この2月と昨年12月(105.7%)こそ客数が前年比プラスとなったものの、その他の月は前年を下回っている。それを客単価のプラスで補っているのは、一風堂や幸楽苑と似たような状況だ。
店舗数が期初4月の719店(直営488、FC231)から、2月の737店(直営507、FC233)と増加していることで、全店プラスを維持している格好ながら、12月までの累計は、既存店売上高100.8%、全店売上高103.1%なので、何とかこのまま前年比プラスを維持できそうだ。(記事:県田勢・記事一覧を見る)