NYの視点:米2月雇用統計:雇用ひっ迫で3月の利上げに更なる確証

2018年3月9日 07:40


*07:40JST NYの視点:米2月雇用統計:雇用ひっ迫で3月の利上げに更なる確証
米国労働省がワシントンで9日に最新2月の雇用統計を発表する。失業率は4.0%と1月4.1%から低下し2000年以降、18年ぶり低水準に達する見込み。また、非農業部門雇用者数も伸びが1月に続き2カ月連続で20万人台が予想されている。

労働省が発表する雇用統計と最も相関関係が強い先行指標として注目されるADP雇用指標も予想を上回り4カ月連続で20万人超の民間雇用の伸びを見せた。失業保険申請件数も過去50年間で最低の水準まで達するなど、労働市場のひっ迫が確実になりつつある。賃金は、前月比+0.2%、前年比+2.8%と、それぞれ1月+0.3%、+2.9%から若干伸びが鈍化すると見られている。1月の賃金の伸びが2009年来で最大に拡大したため、市場でインフレ加速懸念が急浮上。長期債が急伸し、株式相場の急落につながった。

市場は3月の追加利上げをほぼ確実視している。強い結果は3月の追加利上げをさらに正当化するほか、年内の利上げペースの引き上げにもつながる可能性がある。パウエルFRB議長を始め、連邦公開市場委員会(FOMC)高官は、労働市場のひっ迫がさらなる賃金の上昇につながりいずれインフレも押し上げると見ている。

■2月雇用統計の先行指標

・ADP雇用統計:前月比+23.5万人(予想:+20万人、1月:+24.4万人)

・ISM製造業景況指数:雇用:59.7(1月54.2)

・ISM非製造業景況指数:雇用:55.0(1月61.6)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):10.9(1月3.8)
週平均就業時間:+4.6(1月0.8)

6か月先
雇用:19.5(1月26.9)
週平均就業時間:+20.8(1月16.7)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+25.2(1月+16.8、6カ月平均+20.6)
週平均就業時間:+13.7(+16.7、6か月平均+15.0)
6か月先
雇用:40.4(1月34.9、6か月平均36.6)
週平均就業時間:14.7(1月10.6、6か月平均16.1)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):25(1月10)
週平均就業時間:28(1月2)
賃金::23(1月24)

6か月先
雇用:22(1月21)
週平均就業時間:7(1月7)
賃金::38(1月33)

・消費者信頼感指数

雇用(現状)
十分:39.4(1月37.2、前年同月26.9)
不十分:45.9(1月46.5、前年同月53.2)
困難:14.7(1月16.3、前年同月19.9)

雇用(6か月先予想)
増加:21.6(1月18.7、前年同月20.9)
減少:11.9(1月12.5、13.6)
不変:66.5(1月68.8、65.50)

所得(6か月先予想)
増加:23.8(1月20.6、前年同月19.2)
減少:8.6(1月7.9、8.1)
不変:67.6(1月71.5、72.7)

・失業保険申請件数

件数 前週比 4週平均 継続受給者数
03/03/18| 231,000| 21,000| 222,500 | n/a
02/24/18| 210,000| -10,000| 220,500 | 1,870,000
02/17/18| 220,000| -9,000| 225,500 | 1,934,000
02/10/18| 229,000| 6,000| 228,250 | 1,875,000
02/03/18| 223,000| -7,000| 225,000 | 1,948,000

■市場予想
失業率:4.0%(1月4.1%)
非農業部門雇用者数:前月比+20.5万人(1月+20万人)
民間部門雇用者数:前月比+20.5万人(1月+19.6万人)
平均時給:予想:前月比+0.2%、前年比+2.8%(1月+0.3%、+2.9%)《CS》

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