マクドナルドは好調 苦戦のモスとケンタッキー、ファーストフード2月売上

2018年3月8日 21:49

 ファーストフード各社の2月売上発表により、マクドナルドが客数、客単価ともに好調を続ける一方で、モスバーガーやケンタッキーが伸び悩んでいることが分かった。

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■マクドナルドは売上高が27カ月連続で前年比プラス

 6日、日本マクドナルドホールディングスが2月の月次IRニュースを発表した。前年同月比で、既存店の売上高は105.2%、客数は103.8%、客単価は101.3%、全店売上高は104.9%だった。

 客数、客単価ともに1月(客数:104.2%、客単価108.8%)ほどではないものの、ともに前年比プラスとなったことで、既存店、全店の売上高は2015年12月から27カ月連続で前年比プラスが続いている。

 同時に発表したサマリーによると、リニューアルした“凄”チキンタツタが「多くのお客様にそれぞれのおいしさをお楽しみいただきました」とある他、スイーツブランドの『By McSWEETS』では、定番のスイーツ「マックフルーリー」にオレオを増量した新商品の「マックフルーリー超オレオ」が好評だったとある。

■モスはかろうじて前年並みを維持

 7日、モスフードサービスが2月の月次情報を発表した。前年同月比で既存店の売上高は99.3%、客数は96.6%、客単価は102.8%、全店売上高は98.6%だった。

 今期(2017年4月~18年3月)を振り返ると、既存店客単価は前年比マイナスがひと月(5月:99.9%)のみと好調だった一方、客数は前年比プラスだったのが、4・6・9月の3カ月のみに留まった。結果的に既存店売上高は前年比プラスが7カ月、マイナスが4カ月、全店売上高はプラスが6カ月、マイナスが5カ月と、パッとしない結果に留まっている。

 通期の累計では、前年比で既存店売上高が100.7%、全店売上高が100.2%。3月によほど落ち込まない限り、なんとか前年並みを維持できそうな水準に留まっている。

■ケンタッキーは客数減少で水面下に沈む

 7日、日本KFCホールディングスが2月の月次情報を発表した。前年同月比で直営既存店の売上高は98.6%、客数は95.8%、客単価は102.9%、全店1店当り平均売上高は98.4%だった。

 モスよりもさらに良くないのがケンタッキーだ。客単価こそ今期(2017年4月~18年3月)頭の4月から前年比プラスが続いているものの、客数で前年比プラスだったのは4・5・9月のみ。7月には前年比88.8%にまで落ち込んでいる。

 今期の累計では、前年比で既存店売上高が98.6%、全店1店当り平均売上高が98.4%。3月によほど良くても前年比マイナスから抜け出すのは困難だろう。

■マクドナルドの1強になるか

 モスバーガーもケンタッキーフライドチキンも、少し前までは好調が続いていたが、マクドナルドが復調するとともに不振に陥っている。日本フードサービス協会が発表する外食市場動向調査では、ファーストフード・洋風の好調な数字が続いているだけに、マクドナルドの影響の大きさを再認識させられる。

 ファーストキッチン・ウェンディーズ、バーガーキング、ドムドムバーガーのように、新たな展開を見せているチェーンもある。若年層の人口減少が進み、国内におけるファーストフード市場の成長が見込み辛い中で、パイの奪い合いが厳しくなることはあっても、楽になることはなさそうだ。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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