JAXA、小惑星探査機「はやぶさ2」惑星リュウグウの撮影に成功
2018年3月3日 08:08
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星Ryugu(リュウグウ)の撮影に成功したと発表した。
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2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ」は、2005年11月に小惑星イトカワに着陸。その後、エンジン停止や音信不通のトラブルが相次ぎ、その帰還は不可能と思われた。しかし、「はやぶさ」は、それらトラブルを克服。採取した試料と共に2010年6月13日、約60億キロの旅を終え、7年ぶりに帰還した。
月以外の天体に着陸した探査機が帰還したのは世界初だ。その偉業やトラブル克服の報道は、多くの感動を生んだ。「はやぶさ2」は「はやぶさ」の後継機だ。小惑星リュウグウは、水や有機物を含むと考えられており、その試料の採取がミッションだ。
小惑星探査機「はやぶさ2」を載せたH-IIAロケット26号機が、2014年12月3日、13時22分4秒に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。小惑星リュウグウまでの距離が130万キロに達した1日、その撮影に成功。
小惑星到着の最終準備段階へと移行するという。
●「はやぶさ2」のミッション
「はやぶさ」後継機として小惑星のサンプルを持ち帰る小惑星探査機が「はやぶさ2」だ。小惑星リュウグウを探査することで、惑星の起源だけでなく地球の海の水の起源や生命の原材料をも探求する。
今から46億年前、太陽系が生まれた頃の水や有機物が、小惑星リュウグウには残されている可能性があるのだ。この小惑星リュウグウの大きさは900メートル。着陸は困難を極める。小惑星と同じ軌道に乗り、速度を合わせるように加速し、安全に着陸できる場所を確保する必要がある。
●小惑星リュウグウ着陸の最終準備段階へ
今回の撮影には搭載されている光学航法望遠カメラ(ONC-T)を使用。カメラの開発や画像処理は、東京大学、高知大学、立教大学、名古屋大学、千葉工業大学、明治大学、会津大学、産業技術総合研究所が協力。この撮影は、観測機器の試験の一環として実施。
小惑星リュウグウの明るさは9等程度。また、撮影した画像からは周囲の恒星との相対位置が変化している様子も確認した。
小惑星への着陸は6月下旬ごろの計画だ。発表では、探査機の航路、性能ともに問題なし。このままリュウグウへの進路を維持し、最大推力で進行している。(記事:小池豊・記事一覧を見る)