H2O、「千里阪急」と「千里セルシー」を取り壊し一体再開発へ
2018年3月2日 11:53
エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングは、大阪府豊中市の千里阪急、隣接する複合商業施設千里セルシーの一体再開発で千里セルシーの信託受益者サントルと合意に達したことを明らかにした。開業時期や施設の詳細は未定だが、両施設をいったん取り壊し、百貨店を核とする大規模商業施設として再生したい考えだ。
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新設される施設は売り場面積10万平方メートル級の巨大施設となる見込み。H2O内では、大阪市の阪急うめだ本店に匹敵する。H2Oの百貨店は阪急うめだ本店など都心部の店舗が外国人観光客の利用もあり、業績好調だが、郊外店はインターネット通販などとの競争で苦戦が続いている。今回の再開発にはこうした現状打開の思惑も込められている。
千里阪急は1970年、千里ニュータウンの中核地区に当たる北大阪急行電鉄の千里中央駅前に開業した。地下1階、地上7階建てで、売り場面積は約1万4,000平方メートル。H2O傘下の阪急阪神百貨店が経営し、長く千里中央駅前の核店舗、集客拠点となってきた。再開発がスタートするまでの間、営業を継続する。
千里セルシーは1972年、千里阪急の隣で開業した。地下1階、地上6階建てで、売り場面積約2万1,000平方メートル。ダイエー千里中央店を核店舗に物販、飲食店など約100店が入居し、屋外広場が新人歌手の登竜門として有名だったが、2016年ごろから賃貸契約の更新がされず、立ち退く店舗が相次いでいた。
千里ニュータウンは豊中市と吹田市にまたがり、全国初のニュータウンとして1962年に街開きした。2017年の人口は約9万9,000人。建物の老朽化や若い世代の都心回帰で人口減少と住民の高齢化が続いていたが、府営住宅などの建て替えと民間マンションの建設が進み、徐々に人口回復と若返りが進んでいる。
千里中央地区は千里ニュータウン内の拠点の1つで、地域の活性化を目指して官民協働で将来の街づくり基本計画の検討作業が続いている。豊中市が2月末に公表した基本計画の中間取りまとめで千里阪急、千里セルシーがある東町中央ゾーンが再整備の検討対象に位置づけられた。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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