三井住友建設、高強度で長持ちするコンクリート「サスティンクリート」開発
2018年3月1日 05:45
三井住友建設と東京大学大学院工学系研究科の野口貴文教授、東京理科大学理工学部の兼松学教授らのグループは、持続可能性の高い、つまり高強度で長持ちする新しい高性能なコンクリート「サスティンクリート」を開発した。
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コンクリートというのはそもそも「コン(ともに)+クリート(成長する)」という語源を持つのだというが、サスティンクリートは、これに「サスティン(持続させる)」を付け加えた造語である。意味としては「コンクリート構造物の環境側面を含めた生産活動ならびに品質を持続的に成長させるコンクリート」だという。
なお、サスティンクリートの名で現在特許出願済みである。
サスティンクリートには「ファイブスター」と称される5つの特徴がある。
■超低収縮性
コンクリートは収縮するとひび割れが生じる。その原因としては乾燥と自己収縮があるのだが、サスティンクリートではこれがほとんどゼロである。
■超低発熱
コンクリートというものは硬化現象に伴って熱を発する性質を持つ。だがこのサスティンクリートではほとんどそれが生じない。温度ひび割れが生じる危険性もゼロである。従ってマスコンクリート対策が不要であり、大型構造物の品質と生産性を高める。
■超低炭素
ポルトランドセメントを使用しない条件でも製造可能なため、CO2排出量の削減に繋がる。
■高流動
固まる前の流動性が高いので充填などが行いやすい。不具合が生じる危険性が低く、また作業が省力化できる。建築デザインの可能性も広がる。
■高強度
70N/mm2以上の高強度であるため、高層建造物にも利用することができる。
以上の5つの特徴を兼ね備えたコンクリートの登場は歴史上初めてであるという。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)