富士通、流通業界向けIoTサービス基盤を発売
2018年2月20日 21:22
富士通は20日、流通業界向けにさまざまなデータを連携させ、新たなデータ利活用を実現するIoT活用サービス基盤「FUJITSU IoT Solution SMAVIA(スマーヴィア)」の販売を開始したと発表した。
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「SMAVIA」は流通企業が保有している販売管理や在庫管理、輸送・配送などをはじめとしたサプライチェーンの各システムに蓄積されたデータを、クラウド上に収集・統合し、物流倉庫などの現場における人・物・環境などのセンサーデータと組み合わせて、販売や在庫の状況、物流コスト、人の作業効率などを分析する。それによって、流通業界で課題となっている人手不足への対応や、売り上げの最大化に向けた最適な改善施策へとつなげていくことが可能となる。そのため、それぞれの流通企業の競争力強化を図れると期待されている。
業務システムやIoT機器のセンサーデータを収集・蓄積し、在庫の適正化や作業員の能率可視化などの機能を実現する「SMAVIA」は、富士通独自のアルゴリズム(問題解決の手順)をAPI(アプリ同士を連携する規格)として提供するとともに、それらのデータをもとに、顧客企業の業務改善を支援するサービスで構成されている。
流通業界の現場では、消費者の嗜好の多様化に伴い、商品の多品種化が進む一方、販売・配送手段の高度化も進展している。そうした中で、就業者の高齢化や人手不足の深刻化などから、就業者一人当たりの業務負荷が高まっている。今回販売を始めた「SMAVIA」は、顧客企業の業務効率化と負荷の低減を実現すると同時に、サプライチェーンの横断的なデータ利活用を図ることによって、流通業界のデジタル革新を支援することに大きな狙いがある。
商品名は「FUJITSU IoT Solution SMAVIA(スマーヴィア)」だが、サービスメニューは、プラットフォームおよび、3種類のデータ利活用サービスで構成されている。プラットフォームの販売価格は、月額55万円から、データ利活用サービスは、「倉庫作業員パフォーマンス」「店舗在庫探索アシスト」「質問回答アシスト」で、価格は、顧客企業の利用環境により異なる。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)