日本漫画協会が海賊版サイトを強く非難!「このままでは文化が滅びる」

2018年2月16日 05:25

 多くの漫画家が在籍する「日本漫画協会」が13日、海賊版サイト(違法サイト)についての異例の声明を発表した。

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 それによると「海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている事実」や「このままでは日本の文化が滅びてしまう」など、日本漫画協会は海賊版サイトを強く糾弾しているのだ。

■問題となっている海賊版サイト

 『あしたのジョー』『あした天気になあれ』の著者でもあるちばてつや氏が理事長を務め、多くの漫画家が在籍する公益社団法人日本漫画協会(以降、日本漫画協会)は13日、「海賊版サイトについての見解」と題して異例の声明を発表したことで話題となっている。

 日本漫画協会の公式サイトによると、昨今のパソコンや携帯電話といったデジタル技術の発達は、今のマンガの読まれ方の変化や気軽さなどをもたらし、それらを素晴らしいことだと述べている。しかしその一方で、作り手と読み手を繋ぐ「輪」を乱し、作り手を「輪」の外に追いやる存在が増えてもいると言うのだ。

 その存在こそが、"海賊版サイト"と呼ばれる違法サイトだ。

 声明では「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実」や、「日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びてしまう」などの強い言葉でマンガの将来や危機感を訴えつつ、これら海賊版サイトに対し非難を行っている。

■人気作品が無料で読める海賊版サイトの落とし穴

 海賊版サイトでは人気マンガや雑誌の他に、話題となった小説やコラムなどもスマホやパソコンで読むことができ、それにより多くのユーザーを集めている。これらは著者や出版社には無断でアップロードされ、いわゆるマンガに携わる"権利者"には何も還元されていない。それどころか著作物の販売低下に直結し、出版社以上に作品を制作している作家を苦しめてもいるのだ。

 さらに海賊版サイトで作品を読むユーザーのほとんどに罪悪感はなく、それどころかこうした状況を「便利」「ラッキー」とさえ思っているようだ。

 現在雑誌の販売部数や書籍の発行部数が減り、出版業界は斜陽産業とさえ呼ばれて久しい。そこに電子書籍が登場したことで、多くの出版社が新たな売り場を模索する形で参入してきた。今回の海賊版サイトは、こうした出版社の行く手をさえぎる存在とも言えるだろう。

 このような"著作権侵害"となる違法サイトは、摘発逃れの為海外サーバーを使った運営で「だから違法ではない」と開き直っているという。マンガは日本の大事な文化であり、海外へと輸出される貴重な"資源"となる産業だ。また海賊版サイトでは、ユーザーがセキュリティーのリスクにさらされる危険性も高いため、私たちは「海賊版サイトは使用しない」ことを心掛けたいと思う。(記事:高塔・記事一覧を見る

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