ライオン、ヘルスケア事業の強化で5期連続最高収益の更新に挑む
2018年2月15日 21:20
ライオンは9日、前期(2017年12月期)実績と今期(2018年12月期)見通しを発表した。健康・衛生志向の高まりを受けて、ライオンは4期連続の最高収益更新を達成し、5期連続更新に挑戦する。
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ライオンは1891年小林富次郎によって創立され、化粧石鹸、洗濯用石鹸を出発点とし粉歯磨きに進出し、1918年にライオンの前身となる株式会社小林商店となった。小林富次郎は敬虔なクリスチャンであり、ビジネス以外にも孤児院の開設など積極的に慈善事業を展開し、「そろばんを抱いた宗教家」といわれ、1910年に亡くなった時には盛大な葬儀が営まれた。
棺を積んだ2頭立ての馬車の後を参列者の行列が1キロも続いた「小林富次郎葬儀」のフィルムは、日本最初期のフィルムとして国の重要文化財に指定されている。
少子高齢化の進行する中で次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーとして、成長に向けた変革を加速するライオンの動きを見ていこう。
■前期(2017年12月期)実績とIFRS(国際会計基準)の導入
従来基準での売上高は4,105億円(前年比104%)で、営業利益は前年よりも27億円増の272億円(同111%)といずれも4期連続の最高収益を更新した。
営業利益増加の主な要因としては、ヘルスケアの高付加価値商品を中心とした増販62億円、原価低減・物流合理化によるコストダウン15億円の増益要因77億円に対し、原材料費の上昇29億円、諸費用の増加12億円などの減益要因50億円によるものである。
IFRSでは、売上収益は販売促進費、売上割引、広告宣伝費などを売上控除するため売上高よりも少ない3,431億円となり、一方事業利益は事業活動に伴う利益を反映するようのれん代の償却を行わないなどのため、従来基準の営業利益よりも多い287億円となっている。
■今後の見通しと中期計画目標
IFRSによる来期(2018年12月期)売上収益は3,550億円(同104%)で、事業利益は290億円(同101%)を見込んでいる。
同じく2020年12月期中期計画として、売上収益4,000億円(前期比117%)で、事業利益は400億円(同139%)を目標としている。
■新価値創造を目指したLIVE(ライオン価値創造)計画の推進
次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーを目指して次の施策を推進する。
1.新価値創造による事業の拡張・進化
・口腔ケアから全身健康ケアにつながる「オーラルヘルスケア事業」への拡張・進化
・日常生活の豊かさ、質向上に向けたヘルスケア事業への進化
・先端テクノロジーを活用したヘルスケアビジネスモデル創出
2.グローバル化とローカル化の融合による海外事業の成長加速
・リージョナルマネジメント強化によるグループ経営の進化
・ECチャネルの活用、M&Aなどを起点としたビジネスエリアの拡大
3.事業構造改革による経営基盤の強化
・生産インフラの強化とサプライチェーンの整備
・情報システム基盤を強化し、経営資源・事業活動を効率化
4.変革に向けたダイナミズムの創出
・多様な人材活用により、組織と経営のダイナミズム創出
「健康、快適、清潔・衛生を通じた新たな顧客価値の創造」により、次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーを目指すライオンの動きを見ていきたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)