居酒屋チェーンの1月売上、店舗転換進めるワタミの回復傾向が明らかに
2018年2月11日 19:03
居酒屋チェーン各社が1月の月次動向を発表。鳥貴族が相変わらず好調な売上を続けることと合わせて、積極的に店舗転換を進めるワタミが、客数、客単価ともに回復しつつあることが分かった。
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■好調が続く鳥貴族
7日、鳥貴族が1月の月次報告を発表、既存店の前年同月比は売上高が96.4%、客数が93.8%、客単価が102.8%、全店売上高が117.3%だった。
昨年10月に値上げを行って以降、4カ月連続で客単価は前年同月比プラスとなったものの、客数は増えたり減ったりの状況で、10月(93.0%)以来の客数低迷により、既存店売上高も10月以来の前年同月比マイナスとなった。ただし新規出店が順調に続いていることもあってか、全店売上高は好調を維持している。
1月時点の店舗数は、直営店が374店、TCC店(鳥貴族独自のフランチャイズ)が233店。1月の出店数は5店と、一時期程ではないものの、好調な出店ペースが続いている。
■英国風パブ「HUB」は今後に注目
7日、ハブは1月の月次速報を発表、既存店の前年同月比は売上高が96.3%、客数が101.7%、客数が94.8%、全店では売上高が100.5%、客数が106.0%、客単価が94.8%だった。
関東や関西を中心に英国風パブ形式のチェーン店「HUB」などを運営する同社は、他の和風居酒屋チェーンと比較して、客数や客単価の落ち込みは少ないものの、決して好調とは言いきれない面もある。1月時点での店舗数は103店。期初の3月から4店しか増えていないが、昨年12月に東証2部から1部に指定替えもあった。今後どのように展開していくかが注目だろう。
■店舗転換を進めるワタミ
9日、ワタミが1月の近況を発表、国内外食事業における既存店の前年同月比は売上高が102.7%、客数が102.8%、客単価が99.9%、全店では売上高が102.9%、客数が103.1%、客単価が99.8%だった。
既存店の客数は昨年11月から3カ月連続で前年同月比プラスとなったものの、客単価は6月からマイナスが続いている。ただし客単価が低い月でも9月の98.5%に留まっており、12月までの9カ月間累計の客単価は99.9%と、わずかなマイナスである。
同社で話題になるのが店舗の転換だ。「和民」や「坐・和民」「わたみん家」などから、「ミライザカ」「三代目鳥メロ」「にくスタ」のように、ワタミグループと分からない店舗名が増えており、中華料理がメインの「WANG'S GARDEN」、アメリカ風の「TGIフライデーズ」など、和風以外の出店にも注力している。1月時点の店舗数は472店ながら、撤退店舗数は16店、転換店舗数は131店にものぼる。こうしたリニューアルが奏功しているようだ。
■チムニーは厳しい状況が続く
9日、チムニーが1月の月次売上を発表、既存店の前年同月比は売上高が94.3%、客数が96.5%、客単価が97.7%、全店では売上高が96.0%、客数が100.9%、客単価が95.2%だった。
昨年12月に既存店売上高が100.1%(客数103.3%、客単価97.0%)と、久々に前年同月比プラスとなったものの、1月は再び客数が落ち込んだことでマイナスに転落した。
海鮮居酒屋「はなの舞」などを運営する同社は、1月時点で直営店が435店、フランチャイズ店が282店、グループ店が31店。「さかなや道場」「軍鶏農場」など、和風中心の同社は、このところ続いている居酒屋不振の影響を全店的に受けているのかもしれない。(記事:県田勢・記事一覧を見る)