史実よりも人物にスポットを当てた大河!「西郷どん」5話レビュー
2018年2月9日 22:03
■鈴木亮平と渡辺謙がぶつかる5話
2018年の大河ドラマ「西郷どん」の5話が2月4日に放送。視聴率は15.5%となり、はじめて初回を超えた上に自己最高視聴率をマークした。
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3~4話では西郷隆盛が暮らす薩摩藩が直面した藩主交代騒動が中心となり、史実をおざなりにした展開に厳しい声もちらほら見受けられた。しかし、5話になると「西郷どん」著者と脚本家独自のカラーが光る展開となり、多くの人を魅了する展開となったのがわかる。
■斉彬が藩主となるも吉之助の気持ちは浮かばず
ついに吉之助(鈴木亮平)や正助(瑛太)が待ち望んでいた、斉彬(渡辺謙)の藩主着任。いよいよこれで薩摩藩が変わると信じていたが、斉彬は敵対していた斉興一派を処罰しないことを発表。その影響で斉彬一派に下された謹慎なども解かれることはなく、正助は未だに家から出ることを憚られてしまう。
この事態に吉之助は納得できず、彼を信頼していた気持ちが揺らいでしまう。その中で、斉彬は御前相撲を開くことを決める。吉之助はこの試合に出ることで、なんとか優勝して斉彬に直訴を申し込もうと決めるのであった。
薩摩藩の皆々が御前相撲に向けて訓練に励む中、糸(黒木華)の元に縁談の話が舞い込んでくる。しかし、彼女は吉之助のことを思い慕っており、縁談に対して前向きな気持ちを述べられずにいる。縁談の話を聞いたその日、彼女は下駄を放り投げて自分の運命を委ねることにする。すると、下駄は川の下へ落ちてしまい、偶然にも川でウナギ取りをしていた吉之助に当たってしまう。
あまりの偶然に驚いてしまう糸だが、そんな彼女の様子にも気付かずに下駄を無くした彼女をおぶって帰る吉之助。彼の温かさに触れることで、また一段と彼のことを思い慕ってしまうのだった。
■ついに始まった御前相撲
ついに御前相撲の当日となる。その試合には斉彬だけでなく姫君たちも観覧することとなり、中には於一(北川景子)もおり、吉之助をはじめ多くの男たちが彼女の虜となる。
いよいよ試合が始まるも、予定していた選手が出られないようになってしまう。そこで、吉之助は彼の代わりとして出場することを決意。体躯と力には自信のある吉之助はどんどん勝ち進み、ついに優勝してしまう。
しかし、急に斉彬が吉之助と相撲と取ると言い始める。吉之助だけでなく周りの人たちもざわつく中、彼をずっと応援していた於一の後押しもあり、斉彬と相撲と取ることを決めた吉之助。周りは「ぜったいに勝つな」と言われる中、誰にもウソを付けない吉之助は斉彬に土を付けてしまうのだった。
■異色ながら独自のカラーを出す「西郷どん」
あまり史実通りに物語を動かすのではなく、新しい「西郷隆盛」を映し出すことに注力している本作。5話でも後に篤姫となる於一との出会いを丁寧に描き、どこまでも「優しい」西郷隆盛が描かれている。また、相撲のシーンでは見事に身体を鍛え上げた鈴木亮平の演技が光り、この辺りも視聴者から多くの反響が挙がっている。
「西郷どん」はNHKにて毎週日曜日20時から放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)