1月のTDB景気動向指数、調査開始以来過去最高に

2018年2月8日 21:54

 帝国データバンクが発表した1月の景気動向指数が、調査開始以来過去最高の数値となった。特に製造業やサービス業の伸長が目立っており、当面景気の好調な傾向が続くとみている。

【こちらも】景気拡大は「いざなぎ」超え 不安も残る

■2002年の調査開始以来の過去最高を記録

 5日、帝国データバンクは2018年1月の「TDB景気動向調査」結果を発表した。

 景気DI(動向指数)は51.1で、前月比+0.2ポイント。これで2017年6月(46.8、5月比+0.3)から8カ月連続でプラスとなり、2014年4月の51.0を超えて、2002年の調査開始以来、過去最高となった。2014年以降の推移を振り返ると、2016年の春から夏に底を打ち、そこからほぼ右肩上がりとなっている。

■金融、製造、サービスが過去最高に

 業界別で伸びたのは、金融が49.6(前月比+0.7、以下同じ)、不動産が52.3(+1.0)、製造が52.6(+0.5)、小売が44.3(+0.9)、サービスが53.4(+0.4)。金融、製造、サービスの3業界は過去最高となった。一方、農・林・水産が47.1(-2.1)、建設が54.0(-0.2)、卸売が47.5(-0.1)、運輸が50.7(-1.8)、その他が47.5(-0.4)と12月からマイナスとなった。

■特に好調な業界は?

 もう少し詳しく見て行くと、製造業では、鉄鋼・非鉄・鉱業が57.6(前月比+1.3、以下同じ)、電気機械製造が62.4(+1.6)、精密機械・医療機械・器具製造が57.4(+2.7)と大きく伸びるとともに過去最高となった。特に、電気機械製造の62.4は全ての中で最も高い数値だ。サービス業では情報サービスが59.4(+1.0)、その他サービスが53.4(+0.4)と過去最高となっている。

 1月の数字は過去最高ではないものの、大きく伸びた業界には、小売業の繊維・繊維製品・服飾品小売が41.0(+5.4)、家具類小売が43.9(+3.2)、自動車・同部品小売が49.2(+5.0)、サービス業の広告関連が46.1(+4.6)、教育サービスが45.1(+2.7)がある。

■小規模企業が8カ月ぶりに悪化

 反対に1月が前月比で大きくマイナスとなった業界としては、先の農・林・水産が47.1(-2.1)の他には、製造業の繊維・繊維製品・服飾品製造が39.1(前月比-2.9、以下同じ)、パルプ・紙・紙加工品製造が46.6(-2.1)、卸売業の再生資源開発が56.2(-2.1)、小売業の家電・情報機器小売が41.9(-5.8)、サービス業の専門サービスが53.4(-2.1)がある。

 企業規模別では、大企業(53.2、前月比+0.2)、中小企業(50.5、同+0.1)がプラスとなった一方、小規模企業(49.6、同-0.2)が8カ月ぶりに悪化した。地域別では、南関東(51.5、同+0.6)、東海(52.6、同+0.1)、近畿(51.1、同+0.3)が過去最高となっている。

■今後も拡大基調

 2月以降の見通しについては、「中国などへの輸出好調の継続や、製造業を中心とした堅調な設備投資が景気の押し上げ要因になる」としており、懸念する消費税のアップも「2019年10月に予定される消費税率引き上げにともなう駆け込み需要は、景気にプラスに働く」と推測している。

 ただし「深刻化する人手不足による悪影響」の一文があるように、個別コメントには、「少子高齢化」、「値上げ」や「価格高騰」のような言葉も目立ち、厳しい面があることも忘れてはいけないだろう。(記事:県田勢・記事一覧を見る

関連記事

最新記事