天の川銀河系外に初の惑星を発見

2018年2月8日 21:31

 天の川銀河系外に惑星があることをアメリカのオクラホマ大学の天体物理学者Dai教授とGuerras博士の共同チームが発見し、天文学の専門誌に掲載された。今まで天の川銀河系の中で3千個以上、太陽系外惑星が発見されていたが、別の銀河で惑星の存在が示されたのは初めてである。

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 チームの発表によると、惑星までの距離は38億光年。遠い天体の明るさを利用する重力マイクロレンズ法と呼ばれる特殊な分析方法と、NASA(アメリカ航空宇宙局)が所有するチャンドラX線観測衛星のデータを用いることで、特定することができた。

 重力マイクロレンズ法は、アインシュタインの一般相対性理論によって導き出された重力レンズ効果(光が天体の重力によって曲げられる効果)を元に分析する方法である。

 惑星を探索する方法の中では、地球からは数千光年以上と、かなりの遠方の惑星を発見する時に効果が得られる唯一の探索方法であるとされている。これまでも天の川銀河系の中心にある惑星探索に成果をあげていた。

 今回発見された銀河には、月から木星ぐらいまでの重さの惑星が約2千個、太陽のような恒星の重力に影響されることなく、浮遊しているという。2009年に、コップ座の方角の61億光年先にある巨大なクエーサーと呼ばれる天体の手前を横切り、銀河自体の確認はされていた。

 共同発見者であるGuerras博士は『この銀河は38億光年離れており、これらの惑星を直接観察できる機会は少なく、サイエンスフィクションのシナリオで想像できる最高の望遠鏡で見つけられるものではない』と発見の難しさを語っている。

 ちなみに天の川銀河系というのは、太陽系が属している銀河系であり、言うまでもないが地球も天の川銀河に属している天体である。天の川銀河系の系という文字も、我々が住む銀河系という意味で使用されているだけで、他の銀河で系の文字が使用されることはない。すでに発見されている天の川銀河系以外の銀河としては、アドロメダ銀河や大マゼラン・小マゼラン銀河などが挙げられる。(記事:和田光生・記事一覧を見る

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