岡山大、骨の形成は軟骨の細胞の破裂によって生じることを発見
2018年1月24日 11:19
岡山大学の研究グループは、骨の形成に関し、新しいメカニズムを発見したと発表した。軟骨の細胞の破裂が、新しい骨を形成する場を作る、というものである。
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この研究は、マウスの大腿骨の骨頭部分(いわゆる二次骨化点)の石灰化の初期の状態を詳細に観察することで行われた。この部分はほとんど軟骨でできているのだが、発生の初期にはまず軟骨細胞の肥大化が起こる。そして、ある時期になると部分的な破裂を起こす。そして、その結果として生じるスペースを産めるように、初期の石灰化が起こる。さらには、破裂した細胞膜の断片が初期石灰化の核となっていることも見いだされたという。
岡山大学によれば、過去、骨の研究というのは、出来上がった骨を観察したり分析するものが多く、骨が形成されるプロセスそのものに着目した検討はあまり行われてこなかったという。
また、これまでの研究者たちの認識では、骨の生成、つまり初期石灰化は、軟骨細胞や骨芽細胞から放出される小さな胞が核となって生じると言うのが常識であった。今回の研究は、それを覆す内容のものである。
研究は、分子生物学的アプローチ、形態学的アプローチ、工学的アプローチのいずれをも横断的に駆使し、まったく新しい知見へとたどり着くことに成功したのだ。
なお、今回の知見は、新しい骨再生材料の開発などに応用することが可能であると考えられるという。
この研究の詳細について述べた論文は2本ある。1本はBioinspired mineralization using chondrocyte membrane nanofragmentsの題でACS Biomaterials Science & Engineeringに掲載されている。もう1本は、Chondrocyte burst promotes space for mineral expansionの題で、Integrative Biologyに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)