凸版、偽造・模倣防止技術開発 世界初のパステル発色ホログラムで

2018年1月16日 11:55

 凸版印刷は15日、ナノ構造技術を応用した独自の製造方法により、パステル調の構造色を発色するホログラム「セキュアカラー」を開発したと発表した。

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 医療医薬製品・化粧品・高級ブランド品・機械部品などの偽造・模倣防止用途向けや、商品券などの有価証券類に2018年1月より販売を開始。なお、セキュリティホログラムのラベルでパステル調の構造色を発色するホログラムラベルは、世界初という。

 価格は従来のセキュリティホログラムと同等の価格。2020年度に10億円の売り上げを目指す。

●セキュリティホログラムとは

 偽造・模倣品の流通は世界的に拡大。その被害額は全世界で年間約177兆円に上るとも言われる。偽造・模倣品が流通し続けることで、真正品の売り上げ減少やブランド価値の低下を招く恐れがあり、企業には偽造・模倣防止への対応が求められるという。

 こうしたニーズに応える偽造・模倣防止ツールとして、セキュリティホログラムは広く普及してきた。紙幣、免許証、パスポート、有価証券などが、この分野に該当する。

 国家が法的に権利や価値を付与している物に対する偽造防止に加えて、民間ブランドの保護でも需要は拡大傾向のようだ。

●「セキュアカラー」の特長

 目視での真贋判定が可能なのが特長である。目視で正面から美しい特定色を確認でき、深く傾けると色が消失するという。非常に分かり易い判定方法である。

 パステル調の構造色を世界で初めて実現したセキュリティホログラムである。ナノ構造技術を使用し光の干渉・散乱をコントロールする製造方法で、パステル調の構造色をセキュリティホログラムラベルとして世界で初めて発色。

 ブルー・シアン・イエロー・オレンジ・マゼンタ・ホワイトの全6色のカラーバリエーションがある。

●ホログラム(凸版、「セキュアカラー」)のテクノロジー

 培ってきたナノ構造技術と微細なエレクトロンビーム描画を組み合わせた製造技術だ。この製造技術で、光の干渉・散乱現象をコントロールすることで、従来の虹色に発色するホログラムとは異なり、パステル調の構造色が発色する全く新しいホログラムだという。

 正面から見たときにパステル調の構造色が確認でき、深く傾けると色が消失するため、目視での真贋判定が可能だ。また製造には独自に開発した製造方法が必要なため、偽造・模倣品の作成は困難であり、ブランドプロテクト効果があるという。

 「セキュアカラー」の本格販売に先立ち、日本ゴルフ用品協会推奨の業界共通セキュリティラベルとして、2017年秋モデルのゴルフ用品に採用されたという。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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