日立国際電気、空港の路面異物検知システムの実証実験をマレーシアで実施
2018年1月14日 21:02
日立国際電気は、空港の滑走路上の異物を検知するシステムを開発している。その実証実験をマレーシアのクアラルンプール空港で実施するための協定が、マレーシア空港セパンと、マレーシア工科大学との間に締結されたと発表された。
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この研究は、総務省が行っている「リニアセルレーダーシステム(滑走路面異物検知システム)の海外展開を通じた周波数の国際協調利用促進に関する調査の請負」を、日立国際電気が受託した上での取り組みの一環である。
システムについての概要を述べよう。現在、世界的に航空運送の需要は伸長が予測されている。その一方、安全と安心を維持するためのシステムの研究開発も当然重要となる。その一つとして、滑走路の安全を確認する監視システムがある。光学的な感知により測距性能や距離分解能、夜間の検出性能などが優れたレーダー方式の検知システム、それが「リニアセルレーダーシステム」である。
90GHz帯ミリ波レーダーを滑走路に配置し、電波で滑走路全体を走査、滑走路上の異物を検知した場合に、正確な位置情報を通報することができる。その情報は管制塔に送られ、3cmの金属片が検知されたとして、画像が送られるまで10秒である。
では、実証実験は具体的にどう行われるのだろうか。まずマレーシア空港セパンは、システム設置のためのフィールドの提供というそもそもの機能と、それに伴う各種情報の提供を行う。また、空港スタッフをシステムに習熟させるため、日立国際電気に派遣する。
マレーシア工科大学は、マレーシア側の代表としてプロジェクトのマネージメントを行う予定である。マレーシア国内での各種機関からの許認可の取得、システムの修理や保守のための研修生の日立国際電気への派遣が行われる予定だ。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)