国内コネクテッドカー関連市場、25年には2兆円へ拡大 B2Bへシフト
2018年1月11日 06:49
矢野経済研究所は9日、国内のコネクテッドカー関連市場の調査結果を発表した。コネクテッドカーとは、自動車のIoT化によるセンサーと内部のネットワークに関することのみならず、クラウドに接続することで快適性や安全性の向上が実現されるシステムおよびアプリケーションも指すとしている。
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16年の国内コネクテッドカー関連市場は3,980億円。内訳はB2C市場が712億円、B2B市場は1,850億円、研究開発投資が1,418億円としている。
コネクテッドカーの市場はこれまで「T-Connect」や「G-Link」、「NissanConnect」、「インターナビ」などカーナビやスマートフォンを利用する情報・娯楽サービスであるB2C市場が該当するとされてきた。
しかし、自動運転とEVの到来によりコネクテッドカーは、走行データの収集や解析を中心とするものに大きく変化し、B2B市場や研究開発投資の領域にて大きく成長を遂げている。
20年には国内コネクテッドカー関連市場は1兆円規模に達すると予測。既存のサービスに加えて、通信ユニット(TCU)搭載のコネクテッドカーが増加することにより、付随するサービスの拡大と研究開発投資の拡大が期待されている。
さらに25年の市場規模は、20年の約2倍の2兆円規模と予測。車両の走行情報をクラウドに収集して渋滞予測やEV充電情報に役立てる「プローブ情報」、AIなどがその日の運転状況や運転手の癖などを考慮して個別の運転支援を行う「クラウドADAS」などが大いに利用されていくとしている。
その他の関連市場においては、複数の車両の3Dマップから高精度な3次元データを取得し、より精密でリアルタイムな地図を作成する「ダイナミックマップ」、運転者の急発進やブレーキなどの回数情報より保険料を定める「テレマティクス自動車保険」、車両が衝突事故を起こした時に自動で緊急通報センターに連絡する仕組みである「緊急通報システム」などが注目されている。
こうした各分野において、OEMや機器メーカー、各種製品ベンダでの研究開発投資が発生することで、コネクテッドカー関連市場は大きな成長が期待されている。