ファーストリテ、LINE、豊和工など/本日の注目個別銘柄
2018年1月9日 16:19
<7003> 三井造 1949 +144大幅続伸。野村證券は投資判断を新規に「バイ」、目標株価を2400円としている。追加費用を計上してきた北米化学プラント案件は17年末に完成のもようで、今後の業績改善が予想されること、中期的な環境規制強化は船価にプラスとなること、来期末予想PBRは0.5倍で、ヒストリカルでみてもボトム圏に留まることなどを評価している。これまでアナリスト評価が総じて低かったことから、インパクトが強まる形に。
<2910> ロックフィルド 2258 +205大幅反発。みずほ証券が投資判断を「アンダーパフォーム」から「買い」に格上げし、目標株価も1580円から2640円に引き上げている。トップライン成長の伸び悩みを背景にバリュエーションには割高感があるとみてきたが、家庭内における調理機会の減少基調を背景に、調理メニューなど食材のネット通販市場が拡大の兆しをみせていることから、商品開発を進めてきた同社の参入機会も増加しつつあると判断している。
<8604> 野村 718.4 +8.44日続伸。全体相場の上値追いが続くなか、株式市場との連動性が高いとみられている同社は出遅れ感も意識される状況。JPモルガン証券は投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」、目標株価も700円から820円に引き上げ。自己株取得を加味したBPS成長と比較すると株価に出遅れ感があると判断。また、10-12月期の純利益は621億円と予想し、7-9月期の518億円から大きく拡大するとみている。
<9983> ファーストリテ 47390 +5503日続伸。先週末に12月の月次動向を発表。既存店増収率は前年同月比18.1%増となり、10月、11月の同8.9%増から伸び率が加速化する状況となった。客数が同13.5%増、客単価が同4.0%の上昇となっている。12月の気温低下で、ヒートテックやフリースなどの冬物商品が好調に推移したもよう。百貨店各社の動向や他の衣料品専門店との比較では伸び率が突出しており、ポジティブな見方が強まる形に。
<6395> タダノ 2049 +95大幅に7日続伸。いちよし証券がレーティングを新規に「A(買い)」、フェアバリューを2700円としていることが買い材料視されたもよう。いちよし証券では、カバレッジするセクター平均比での増益率が高い一方、PER水準には割安感があると指摘。また、中期的に海外事業強化で業績拡大が見込めること、大手建機メーカーとの比較でも割安感が強いことから、現在の株価水準は評価不足と考えているようだ。
<3385> 薬王堂 3030 -230大幅続落。先週末に第3四半期決算を発表、累計営業利益は26.8億円で前年同期比2.4%増益となった。第2四半期累計では同10.7%増益であったため、9-11月期の増益率鈍化をネガティブ視する動きが先行。同時に発表した12月の月次動向では、既存店売上高は前年同月比5.5%増となり、5カ月ぶりの高い伸びとなっているが、9-11月の収益性悪化による通期業績達成への不透明感を警戒視する動きが優勢に。
<7649> スギHD 5660 -200伸び悩み大幅反落。先週末に第3四半期決算を発表。9-11月期営業利益は前年同期比6.6%増の52.9億円となり、ほぼ市場予想線での着地。期末配当金の25円から35円への引き上げも発表している。順調な決算を評価する動きが先行したが、その後は目先の出尽くし感が優勢に。みずほ証券では、同社地盤の中京地区は国内で最も有効求人倍率が高いエリアの1つで、人件費の上昇が今後も課題になる可能性があると指摘。
<7238> 曙ブレーキ 338 +23大幅続伸。電気信号で動きを制御する電動ブレーキを開発すると報じられており、期待材料視する動きが優勢のようだ。油圧配管などの部品が不要となるため軽量化にもつながり、22年の実用化を目指すもよう。電気自動車の普及に伴う車制御の電動化進展に対応するのが狙いとされている。EV普及によりビジネスチャンスの拡大が想定される銘柄には、関心が高まりやすくなっている。
<3938> LINE 5320 +490大幅反発で一昨年9月に付けていた上場来高値を更新。共通ポイント事業を実店舗に広げるとの一部報道が材料視されているもよう。消費者が企業と「LINE」で「友だち」になると、購入額に応じて対話アプリのサービスで使える「LINEポイント」を付与する。企業側では、対話アプリを会員カード代わりに使え、セール情報なども発信できる。サービス利用の拡大につながるとの期待感が先行。
<6203> 豊和工 1553 -76大幅続落。石川製<6208>も続落となっており、防衛関連銘柄には処分売りの動きが強まっている。トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩委員長と電話で協議することについて「問題ない」とし、直接対話に前向きな姿勢を示したと伝わっている。南北会談での議論進展も想定される形となり、北朝鮮有事リスクへの警戒感後退を映す流れが鮮明化する形となっている。《DM》