サムスン、スマホ向けプロセッサー「Exynos 9810」を量産開始 AI強化
2018年1月8日 11:55
サムスンは4日、人工知能(AI)やマルチメディアコンテンツ用に最適化したExynos 9シリーズのプロセッサー「Exynos 9810」の量産を開始したと発表した。
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Exynos 9810は、サムスンの第2世代10ナノメートルFinFETプロセスで製造。次世代スマートフォンやスマートデバイスの性能を最大限発揮できるように、第3世代のカスタムCPU、ギガビットLTE、深層学習によるイメージプロセッシング機能を搭載したという。
その革新的な構成から、Embedded Technology製品カテゴリーのCES 2018 イノベーション・アワードに選出。1月9-12日にラスベガスで開催されるイベントに展示するという。
●Exynos 9810の構成
CPUは2.9GHzのカスタムコア4個と1.7GHzのARM-Cortex-A53コア4個の構成。パイプラインを拡張し、キャッシュメモリを最適化し、シングルコアのパフォーマンスを2倍に、マルチコアのパフォーマンスを、従来のものに比べて約40%向上させた。
深層学習用のGPUはARM- Mali-G71 MP20を搭載。ニューラルネットワークベースの深層学習と強力なセキュリティを備え、顧客体験を強化したという。例えば、この最先端技術により、プロセッサーは写真の人物やアイテムを正確に認識する。これは、アップルのiPhone Xの顔認証顔を使った端末のロック解除機能と同等なのであろう。
加えて、セキュリティを強化するために、プロセッサーには、顔、虹彩、指紋情報などの重要な個人データを保護するための別個のセキュリティ処理ユニットを装備したという。
Exynos 9810に搭載された1.2Gbps(bits per second) LTEモデムは業界最速であろう。また、業界初のCat.18 LTEモデム1.2Gbpsダウンリンクおよび200Mbpsアップリンクを達成している。
また、このプロセッサーや通信の高速性から、ビデオは120fps(frame per second)で4Kの画像に対応する。
●スマホ向けプロセッサー(サムスン、Exynos 9810)のテクノロジー
高性能のスマートフォン向けのプロセッサーの覇者は、クアルコムSnapdragonである。ところが、今回のExynos 9810や昨年9月のファーウェイKirin 970の発表があり、そう易々と独走を許してくれそうもない。また、アップルも独自プロセッサーを開発中との噂もある。
サムスンの強みは、スマートフォン、プロセッサー、先端ファブと自前で揃えていることであろうか。
●2017年半導体売上高の首位はサムソン
ガートナーは4日、サムスンが半導体の売上高で、25年間首位を守ったインテルを抜き、初の首位となったと報じた。メモリの需要と高価格維持に起因した結果だという。3位以下はSKハイニクス、マイクロンとメモリメーカが続き、クアルコムは3位の座を逃したようだ。(記事:小池豊・記事一覧を見る)