「最大の素数」の記録が更新、2324万9425桁に
2018年1月8日 10:58
新たな、最も巨大な素数が発見された。桁数で言うと2,324万9,425桁になり、また、メルセンヌ素数として50番目のものでもある。メルセンヌ数というのは、2の累乗から1を引いた数のことで、その上でさらに素数であるものをメルセンヌ素数という。
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人類を代表してメルセンヌ数を探索するプロジェクトがGIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search、グレート・インターネット・メルセンヌ数検索)の名のもとで行われており、今回のものはその成果である。このレベルの素数探索はたとえスーパーコンピュータであっても簡単に行えるようなものではなく、またリソースの問題もあるので、GIMPSはインターネット上における、分散コンピューティング・プロジェクトとして展開されている。
ちなみに、今回発見された素数はこれまでで最長だった49番目のメルセンヌ素数と比べ、100万桁ほど大きい。「M77232917」と名付けられたこの素数を、十進法で表記することは非常に困難だが(テキストファイル上で22.6メガバイトというサイズになる)、指数を利用して表現すれば割と簡単だ。すなわち、2の7,723万2,917乗引く1である。
ちなみに、これが確かに素数であることを証明するためには、並みのCPUを積んだパーソナル・コンピュータだと丸6日ほど計算に時間を要する。「M77232917」を発見したのは、アメリカ・テネシー州で暮らすGIMPSのボランティア参加者で、3,000ドルの賞金が贈られることになるという。
メルセンヌ素数の探求は、半世紀以上も前からコンピュータで行われている。13番目のメルセンヌ素数は157桁であり、1952年にSWACというシステムによって発見された。GIMPSは1996年に登場して以来今回まで16のメルセンヌ素数を発見しており、今後ともその活躍が期待されるところである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)