トヨタ、子会社の統合相次ぐ 急ぎ足のようにも見える施策の狙いは

2018年1月7日 21:24

 トヨタ自動車は、商品企画から販売店活動まで一貫したマーケティングを、機動的に企画、実施することが狙って、2017年11月、100%子会社のトヨタマーケティングジャパン(TMJ)を統合すると発表した。

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 また、年の瀬も迫った12月21日、トヨタ子会社の「トヨタテクノクラフト」「ジェータックス」「トヨタモデリスタインターナショナル」の3社を統合する。加えて、トヨタ子会社の「トヨタフリートリース」と孫会社である「トヨタレンタリース東京」の統合も発表した。

 この急ぎ足のようにも映るトヨタの事業統合の目的は何だろうか。

 TMJは2009年10月に、業務の専門性と機動性を高めるため、トヨタから独立したマーケティング専門会社として設立した。しかし、トヨタとTMJを取り巻く環境は急激に変化しており、マーケティング機能だけではなく、商品企画や販売店ビジネス企画、サポート機能が一体となって「即断、即決、即実行しなければ、世の中の変化に対応できない」と判断。TMJをトヨタの国内事業、商品企画機能と統合する。

 TMJは従来、車種ごとに分かれていた広告キャンペーンなどを顧客から見たトヨタ車の魅力として統合した「TOYOTOWN」や、若者の社会貢献意識の高まりを捉えた「アクアソーシャルフェス」など、Trendと顧客意識に沿ったマーケティング活動で、一定の成果を挙げてきた。

 今回発表となったTMJのトヨタ本体への統合によって、商品企画からプロモーション、販売店戦略まで一貫したマーケティング活動を機動的に企画、スピーディに実施していくとした。

 さらに、トヨタは、子会社の「トヨタテクノクラフト」「ジェータックス」「トヨタモデリスタインターナショナル」の3社を統合して新会社を設立すると発表した。

 当該3社は、トヨタ車のモータースポーツ事業の一部、カスタマイズ、用品装備の開発など共通性のある事業を担っており、各社のノウハウを結集することで、用品・特装事業の機動性をアップさせ、同社のモータースポーツ活動を支える開発支援体制を強化することを狙いとしている。

 トヨタは、顧客ニーズが多様化し、車両だけではなくカスタマイズ領域も含めたクルマづくりが、今後さらに重要となると判断。そのニーズに応えるサービスの提供が重要と判断した結果だとした。

 同時にトヨタは、モビリティサービスの新会社設立についても同じ日に発表。子会社の「トヨタフリートリース」と孫会社の「トヨタレンタリース東京」を2018年4月1日に統合。新たにレンタカー事業やモビリティサービス事業、法人向け自動車リース事業を手がける「トヨタモビリティサービス株式会社」を設立する。

 カーシェアリングサービス事業が急速に拡大するなか、新会社ではトヨタ本体との連携を強化し、グループの車両メーカーに加え、潜在ニーズを掘り起こす付加価値の高い新しいサービスの開発も実施するという。

 コネクティッド領域ではトヨタコネクティッド、金融領域ではトヨタファイナンス、中古車領域ではトヨタユーゼックとそれぞれ総力を結集し、ユーザーの幅広いニーズに対応する。

 近い将来の到来が予測される、コネクティッド社会への対応やモビリティサービスへの事業構造変革を図る。同時に冒頭で述べた強力なマーケティング部門「TMJ」をトヨタ社内に取り込んで、商品開発と新しいサービスの創造で、スピードのある事業展開を目指すということだろう。(編集担当:吉田恒)

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