【中国の視点】アリババの金融子会社、米マネーグラムの買収は白紙に

2018年1月5日 13:25


*13:25JST 【中国の視点】アリババの金融子会社、米マネーグラムの買収は白紙に
中国のEコマース大手アリババ・グループの金融子会社アント・フィナンシャルサービスグループはこのほど、国際送金のネットワーク・サービスを手掛けている米金融サービス会社マネーグラムの買収計画について、対米外国投資委員会(CFIUS)からの承認を得られなかったため、白紙に戻すと発表した。

CFIUSは、アント・フィナンシャルサービスによるマネーグラムの買収計画を拒否した理由について、国家安全を脅かす可能性があると説明した。

これに対し、中国の国営通信社である「新華社」は、米政府が保護貿易主義を継続するなら、中国も報復手段に踏み切る可能性があると指摘した。これより先、CFIUSも中国企業による米企業の買収案件を多く却下した経緯があった。

中国の専門家は、CFIUSは中国企業による米国での買収を阻害しているほか、中国製品に対し、関税法337条違反を理由に調査させるケースも多いと指摘した。今回も国家安全を脅かす可能性があるとの理由を挙げているが、中国企業による米国への進出を抑制することが目的だとの見方を示した。

なお、マネーグラムはオンライン国際送金において、米国2位のシェアを握っている。アント・フィナンシャルサービスはマネーグラムを12億米ドル(約1352億円)で買収する計画。今回の計画が実現されなかったため、アント・フィナンシャルサービスは3000万米ドルの損失を蒙ることになる見通しだ。《AN》

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