ルネサスの車載PF、AirbiquityのOTAを統合 セキュリティを強化

2017年12月24日 06:09

 ルネサスとコネクテッドカー向けサービス提供のグローバルリーダーであるAirbiquityは20日、今後の自動運転時代の車載アプリケーション向けに、OTA(Over the Air)機能を実現する高性能な車載ソリューションを発表した。

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 自動運転システムは、車載プラットフォーム上のソフトウェアにより実現される。当然、車載プラットフォームの性能や消費電力が担保された上でのソフトウェアでの機能実現だ。

 我々が手にしているスマートフォンやパソコンでも、頻繁にソフトウェアの更新が行われる。車載ソフトウェアも例外なく、ソフトウェアの更新により、不具合を解消する仕組みを採用する。しかも、無線通信は必須であろう。

 この車載ソフトウェアの更新を担うのがOTAであり、ルネサスの車載プラットフォーム「R-Car H3」にAirbiquityの「OTAmatic」を統合した。「OTAmatic」は、クラウドベースのOTAソフトウェア更新に加え、車両データ管理が備わったものである。

 これにより、OTAソフトウェアをターゲットECU(電子制御ユニット)ごとに柔軟にオンデマンドで更新や、データ管理したりすることが可能になる。

●OTAmaticとは

 先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance Systems)の高度化や自動運転の進化を支えているのは、ソフトウェアである。

 OTAは、ソフトウェアを無線で更新する技術だ。自動車の場合、ソフトウェアの更新データはクラウド上で配信される。更新データは、自動車の通信機器とゲートウェイを介して、ECUに送られる。そして、ECUでソフトウェアを更新する。

 OTAが未整備な状況では、ディーラーに連絡、自動車の持ち込み、ソフトウェアのアップデートという手続きとなる。これは、顧客の利便性を損なうのみならず、ディーラーの手間もかかり、さらに、数百万台の車両にディーラーが対応するのは不可能だ。

 加えて、ADASや自動運転での重要な更新は、安全を担保する重要な手続きであろう。ところが、この無線通信でのソフトウェア更新機能は、ハッキングやウィルス等の脅威も伴う。OTAmaticは、これらに対応したセキュアな仕組みである。

●車載ソフトの更新(ルネサスとAirbiquity、OTA統合プラットフォーム)テクノロジー

 ルネサスの低消費電力な車載プラットフォーム「R-Car H3」に、ソフトウェアの更新で実績のあるOTAmaticを統合し、今後の自動運転での必須な要件を満たしたことであろう。

 Airbiquityはコネクテッドビークル・サービスの世界的リーダーだ。業界で最新鋭のクラウドベース・コネクテッドカー・サービス配信プラットフォーム、Choreoを世界60カ国で運営。自動車メーカー、自動車サプライヤと提携し、安全や利便性に応えているという。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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