企業業績堅調、17年7-9月期は売上高前年比4.8% 経常利益5.5%増加

2017年12月10日 08:23

 財務省は12月1日、法人企業統計調査結果(平成29年7~9月期)を公表した。売上高と利益の動向について調査結果を見ると、金融業・保険業を除く全産業ベースで売上高が338兆6999億円で、前年同期(323兆1626億円)と比べ15兆5373億円、4.8%の増加、経常利益は17兆8928億円で過去最高を更新し、前年同期(16兆9639億円)と比べ9289億円、5.5%の増加となっており、企業業績は極めて堅調であると言える。

【こちらも】大学発ベンチャーの黒字は6割―帝国データバンク

 産業別にみると売上高が製造業で98兆1471億円、前年同期(94兆4800億円)と比べ3.9%の増加、非製造業は240兆5528億円で、前年同期(228兆6826億円)と比べ5.2%の増加で製造業、非製造業ともに高い伸び率を維持している。

 経常利益では製造業が6兆8323億円で、前年同期(4兆7442億円)と比べ44.0%の増加と高い伸び率を維持している。一方、非製造業の経常利益は11兆606億円で、前年同期(12兆2197億円)と比べマイナス9.5%の減収となっている。これは前年16年7-9月期に持株会社の子会社からの受取配当が増加し経常利益が押し上げられるという特殊要因があったことの反動と見られている。こうした特殊要因が含まれない営業利益ベースで見ると、製造業が前年同期比44.7%の増加、非製造業が同4.3%の増加と製造業、非製造業ともに増加しており、全産業では15.7%の増加である。

 売上高の変動を業種別にみると製造業の生産用機械が前年同期比27.4%の増加と突出している一方、石油・石炭がマイナス9.0%と目立って減少しておりバラツキが見られる。非製造業では卸売業・小売業が同7.3%の増加と高い伸びを示しており、消費回復への兆しとも見て取れる。

 設備投資(ソフトウエアを含む)の推移を見ると、全産業で10兆7920億円、前年同月比は4.2%の増加となっている。産業別では製造業が3兆8763億円、前年同月比1.4%の増加、非製造業で6兆9156億円、同5.9%の増加となっている。業種別に見ると製造業の石油・石炭が65.7%の増加と目立った伸びを示している。製造業と非製造業ともに業種によって増加と減少にバラツキが見られ、全体としては慎重な態度を維持しているといえる。

 総合的に見ると生産用機械や鉄鋼等の外需部門での高い伸びなど、円安基調と米欧中の景気回復を背景とした外需主導の景気回復という見方を裏付ける数字であると言える。(編集担当:久保田雄城)

関連記事

最新記事