【株式評論家の視点】バルクホールディングスはサイバーセキュリティ分野へ先行投資を実施、140円どころが下値水準

2017年12月8日 07:09

 バルクホールディングス<2467>(名セ)は、同社を中核として、グループ企業間におけるシナジーを追求しながら、情報セキュリティ支援等を行う「コンサルティング事業」、インターネット等によるマーケティングリサーチ及びセールスプロモーション等を行う「マーケティング事業」及びITソリューションサービスの提供等を行う「IT事業」の3つのセグメントにより各事業を推進している。

 同社グループが主たる事業展開を行うマーケティング市場及び情報セキュリティ関連市場については、今後も市場拡大が継続すると見込んでおり、同社グループとしては、技術進化との連動性(ビッグデータ・AI・IoT等とのデータ連携)をさらに高め、新サービスの開発展開、プラットフォームを絡めた業務提携、M&Aに全力で取り組み、業容の拡大、企業価値の最大化を目指している。

 今2018年3月期第2四半期業績実績は、売上高4億8700万円(前年同期比50.9%減)、営業利益900万円(同55.4%減)、経常利益1200万円(同37.2%減)、純利益600万円(同45.2%減)に着地。売上高については、コンサルティング事業において、高付加価値サービスの提供及びサービスラインの拡充等により、既存案件、新規案件ともに堅調に推移した一方で、マーケティング事業において、一部既存顧客における販促予算削減の影響を受けたことから、当初計画を下振れした。新経営体制のもと中長期的な業績向上及び企業価値向上を目指すため、主にサイバーセキュリティ及びマーケティングリサーチ分野における、資本・業務提携及び買収候補先の模索並びに市場調査等の先行投資を積極的に実施したため、利益段階でも当初計画を下振れした。

 今18年3月期業績予想は、売上高10億8700万円(前期比36.5%減)、営業利益3400万円(同35.8%増)、経常利益3800万円(同64.0%増)、純利益2900万円(同4.8倍)を見込む。年間配当予想は、無配継続を予定している。

 株価は、4月13日につけた年初来安値122円を底として、今18年3月期大幅増益見通し、米国の次世代ガスセンサーメーカーであるAerNos社の株式取得を手掛かりに10月12日に年初来高値167円と上昇。イスラエルのサイバーセキュリティ分野におけるリーディングカンパニーであるサイバージム社との間で、共同事業を行うことについて基本合意書締結を材料視され11月13日高値164円と買い直された後、モミ合っている。サイバージム社との共同事業の第1弾としてサイバーセキュリティの最大市場である米国ニューヨークでのトレーニングサービスの提供を足がかりとし、日本及び米国の他の地域向けに段階的にサービスの供給先を広げ、業容を拡大する見通し。140円どころの下値水準に押す場面は、中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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