「オタク」市場、アイドルやボーカロイドなど引き続き拡大
2017年12月7日 06:53
矢野経済研究所は5日、国内の「オタク」市場に関する調査結果を発表した。「オタク」市場とは、オタクの聖地である秋葉原等で扱われるコアユーザーを有するコンテンツや物販など、主要15分野を指している。
【こちらも】「オタク」である層は19.1%も、最も出費するのは「アイドル」分野
主要な分野の調査結果は以下の通り。
■アイドル
16年度のアイドル市場規模は前年度比20.6%の増の1,870億円。17年度は同12.3%増の2,100億円と予測している。「ジャニーズ」「AKB48グループ」といったメジャーアイドルによるコアなファンが市場を支えるとともに、AKB48グループとコンセプトを異にする「乃木坂46・欅坂46」など複数のアイドルグループの台頭により市場は堅調に拡大しているという。
その他、インバウンド需要から秋葉原や中野ブロードウェイなどが「オタク文化」と外国人の出会いの場になっていることから、今後はアイドルオタクのグローバル化にも注目されている。
■ボーカロイド
16年度のボーカロイド市場規模(関連商品を含む)は前年度比4.3%増の96億円。17年度は同4.2%増の100億円を予測している。07年に登場した「初音ミク」を機に市場が形成され、食品やアパレルなどの関連商品や二次創作も引き続き活性化している。12月には初音ミクがキーボードになる「ボーカロイドキーボード」が発売されるなど、新たな関連商品も話題を呼んでいる。
■トイガン・サバイバルゲーム
16年度のトイガン・サバイバルゲーム市場規模は前年度比3.0%増の203億円。17年度は同3.0%増の209億円と予測している。ブームは継続しており、既存ユーザーによるリピート需要に加えて新規ユーザー開拓も進んでいることから、堅調に拡大しているという。
■その他、プラモデルやフィギュアなど
プラモデルは16年度275億円、17年度277億円予測と市場は堅調を維持している。アニメのキャラクターモデルが好調で、なかでもガンプラが若年層向けの新商品投入により市場を牽引しているという。
フィギュアは16年度320億円、17年度は325億円と予測。商品の低価格というマイナス面があるが、ライトユーザー増や好調なインバウンド需要がそれを支えている。プロレスも16年度126億円、17年度132億円予測と市場は拡大傾向にある。各団体による新規ファン獲得への取り組みが奏功し、女性ファンが増加傾向にあるとしている。