Nature誌など、子宮頸がんワクチンの安全性訴えていた医師にジョン・マドックス賞
2017年12月6日 20:44
あるAnonymous Coward曰く、 英科学誌Natureおよび慈善事業団体Sense about Scienceが11月30日、ジョン・マドックス賞を日本人の医師・ジャーナリストの村中璃子氏に授与することを発表した(BuzzFeed)。
SENSE about SCIENCEは不適切な科学・エビデンスに関する情報を正す公共キャンペーンを展開する団体で、ジョン・マドックス賞はそのような活動に貢献した個人に与えられるもの。過去には代替医療などに対し科学的な批判を行う活動を行ったジャーナリストや医学者などに授与されている。
HPVワクチンは子宮頸癌のワクチンとしてWHOが推奨するワクチンであるが、日本では重篤な副作用があるとして大きな論争を呼んでいる。村中氏はそうした中で、ワクチンの安全性を検証して、信頼性を訴えてきた。ネイチャーはこうした日本の状況について「日本においては、このワクチンの信頼性を貶める誤った情報キャンペーンが全国的に繰り広げられた。その結果、接種率は70%から1%未満に落ち込んだ」として現在の状況を厳しく批判している。
接種率が大幅に下がった結果、今日では子宮頸癌の発生率はワクチン登場以前の状態に戻ってしまったという。
子宮頸がんワクチンについては、昨年に「子宮頸がんワクチンが障害の原因となり得る」という根拠はないとして取り上げているが、日本では名古屋市が接種者に問題は無いとの結論をぼかしたり、子宮頸がんワクチンによる「薬害」をねつ造したとの疑いがかけられている信州大学副学長が村中氏や記事を掲載した発行元を提訴するといった事件が起きている。