トヨタ、米に世界初となる水素ステーション併設のメガ燃料電池発電所を建設
2017年12月5日 23:30
トヨタ自動車は1日、ロサンゼルス自動車ショーにて、燃料となる水素を生み出しながら発電が可能な電池発電所と、水素ステーション併設する「Tri-Gen(トライジェン)」を、米カリフォルニア州に建設すると発表した。2018年から建設を開始し、2020年の稼働を目指す。約1500台分相当の自動車に供給が可能な施設となる。
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この施設で作られる燃料は家畜の排泄物などを原料として水素を取り出し、酸素と反応させることによって1日に約2.35メガワットアワーの発電ができる仕組みだ。この2.35メガワットアワーと言う電力量は、米国の一般家庭に換算すると約2,350世帯の1日当たりの消費量に相当する計算となる。
また、1日に製造する水素は約1.2トンとなり、こちらは、燃料電池自動車およそ1,500台の1日当たりの平均走行距離に必要な充填量に相当するという。
製造された電力の一部はトヨタの物流拠点に供給し、その他はロサンゼンルスで実証実験を行っている燃料電池トラックなどに使用する方針で、この事業は米企業と協力をして行う予定。
トヨタによると、メガワット規模の発電をしながら水素ステーションを併設する燃料電池発電所は、世界初という。
燃料電池車は走行時に水のみの排出するため、究極のエコカーとして次世代の燃料として大きな注目を集めているが、水素の供給インフラ整備が課題となっていた。
トヨタは、カリフォルニア州の特に主要港において商業貨物輸送による汚染を減らすため、水素活用の取り組みを強化している。米国のコンテナ輸送量の40%は同州内のロングビーチ、ロサンゼルス、オークランドの港湾で取り扱われており、同州で排出される有害なディーゼル黒煙の50%、窒素酸化物(NOx)の45%が商業貨物輸送により発生している。
トヨタは今回の取り組みにより、今後カリフォルニアでの汚染軽減によるモデルケースを構築し、次世代の燃料電池分野における、イニシアチブ獲得を狙う。