健康・医療情報の入手、8割が検索サイト利用も7割があまり信頼せず
2017年12月5日 07:35
MSDは11月27日、「健康・医療情報をどのように入手・活用しているか」の実態に関する調査結果を公表した。この調査は、全国の20~70代の一般生活者、男女計3,000人に対し、インターネットを経由して実施されたものである。
調査結果によれば、「健康・医療情報の入手先」は、「インターネット上の検索サイト」が77.5%と最も多く、「医師等の専門家」が30.2%、「家族や友人・知人」が25.6%、「本や雑誌」20.1%の順となっている。「インターネット上の検索サイト」が約8割と多数であるものの、これについては73.8%の者が「信頼できない」または「どちらとも言えない」と答えており、その信頼感は低いと言える。
「インターネット上のサイト」が「信頼できない」と回答した者に対して、その理由を尋ねたところ、「情報の出所が不明なことがあるから」が46.8%で、「正確性を欠いた情報が多そうだから」が46.6%、「きちんとしたデータの裏付けを取っていない記事が多そうだから」が43.3%と、半数近くの者が情報の出所や裏付けなど情報ソースの明記を重視している。これを裏付けるように「健康や医療についての情報の出所を確認している」と回答している者は57.6%と半数以上、6割近くにのぼる。
インターネット上のサイトの中で最も利用されているのは「Q&A口コミ・サイト」で42.1%の者が利用している。しかし、利用率が高い一方で、口コミ・サイト利用者の内、そこでの情報を信頼していると答えた者は43.3%にすぎず、その信頼率は低いと言える。
一方、信頼感が高いインターネット上のサイトは、「公的機関が運営している」が38.4%、「出典が明らかである」が35.2%、「医師も使っている」31.6%、「わかりやすくまとまっている」31.6が上位を占めており、権威のある機関や情報の出所など利用者は明確な裏付けを求めているといえる。
本調査の結果から医療・保健行政機関や病院、医療研究機関などの公的あるいは権威があり、一般に信頼されている機関が一般生活者にもわかりやすいようにインターネット上で健康・医療情報を提供することが重要であることが明らかになったと言える。医療・保健におけるインフォームド・コンセント(正確な情報と合意)が唱えられてから久しい。医療・保健担当者のさらなる努力に期待したい。(編集担当:久保田雄城)