オムロン、シスコのESR搭載PLC開発 IoT機器のセキュリティで技術提携
2017年12月1日 13:20
オムロンとシスコは11月29日、IoTによるインテリジェント化が進む製造現場でのセキュリティ技術で提携。世界で初めて、高セキュアなシスコの次世代エンベッドサービスルータ(ESR)を搭載した、プログラマブルロジックコントローラー(PLC)を開発すると発表した。
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製造現場のIoTによるインテリジェント化は生産性を高める一方で、安心安全なモノづくりのためにセキュリティの強化が求められる。そのため、製造現場内での自動化の中核を担うPLCにセキュリティ技術を組み込むというのが今回の発表の要旨である。
●技術提携の背景
2020年までにネットワークにつながるデバイスが全世界で500億台に達し、IoTが本格化すると予測。製造業ではデジタル技術の積極的活用による製造現場のインテリジェント化が進む一方で、ランサムウェアをはじめとするマルウェアによって生産活動が停止する事例が複数報告されている。
製造現場のIoT化は、新たな脅威にさらされる要素を孕む。しかしながら、食品・医薬品の製造現場での規制強化や、電子部品業界での個々の部品に対する品質トレーサビリティ要求など、市場が期待する品質・安全性の水準達成にはIoT化は避けては通れないものとなっている。
そこで、今回の技術提携によりオムロンとシスコは、「製造現場で作業する人、機械・製造ラインにつながる機器、やりとりされるデータ」の3つの要素に対し、オートメーションの中核を担うPLC自身がセキュリティ認証するセキュアな環境づくりに取り組むという。
●PLCによる「人・機器・データ」のセキュリティ認証
人認証は、PLCに接続するユーザーを認証し、正規ユーザーに対してのみ接続を可能とするリモートアクセス(VPN)を提供することで、製造現場にあるPLCや機械を安全に監視する。
機器認証は、機器が接続されたことを検知し、不正な機器からの通信をブロック、リアルタイムに警報を通知する。
データ認証は、通信データを暗号化し、正しくデータをやりとりする。ネットワークに流れるデータの詳細を監視・可視化することで、不正な通信やセキュリティ脅威を検知、記録する。
●IoTセキュリティ(オムロンとシスコ、PLC)のテクノロジー
自動化の構築に必要な様々な機器をひとつにつないで制御し、ひとつのソフトウェアで管理するというのがオムロンの主張であろう。このコンセプトのもと、PLCにセキュリティ機能を持たせ、人・機器・データに対してセキュリティ強化を図ったのであろう。
シスコ製ESRがPLCに組み込まれるのは世界初という。今回の技術提携でそれが現実の環境で稼働することが実証される。オムロンは、シスコのネットワークセキュリティ技術を組み込んだPLCの実証モデルをシステムコントロールフェア2017に出展する。(記事:小池豊・記事一覧を見る)