イルミネーションの季節到来、経済効果は数千億円規模か
2017年11月28日 11:50
11月半ばを過ぎたあたりから、きらびやかなイルミネーションが日本全国の街を彩りはじめた。テーマパークや公園などはもちろん、クリスマスが近づくにつれて、企業や各家庭の庭やベランダなどでの電飾も増えてくることだろう。
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LEDの普及で電飾は年々華やかさを増している。LED電球の単価は白熱灯の約5倍程度だが、寿命が長い上にメンテナンスが楽でランニングコストも低い。しかも、熱を発しないので周辺環境にも優しく、風雨などに対する耐久性も高い。加えて、青色LEDが開発されたことで光の三原色を用いた複雑な光の演出も可能だ。そして何よりも集客力がある。電球100万個以上を使った大規模なイルミネーションはそれだけで、県外などからも客に足を運ばせる力がある。花火大会のように毎年大規模な予算を組まなくても、数年は同じ電球が使える上、評判を呼べば収益は年々上がる一方だ。今や、イルミネーションによる経済効果は数千億円規模になるという。
ちなみに、一般社団法人日本記念日協会が発表した調査結果によると、昨年のクリスマスの経済効果は約7000億円にのぼるが、イルミネーションがもたらす昂揚感の影響も大きいのではないだろうか。
今冬話題のイルミネーションとしては、まずは今年で12回目を迎えたカレッタ汐留(東京都・港区)のイルミネーションが挙げられる。今年のテーマは映画でも話題になった「美女と野獣」。青を基調に物語の世界観をイメージしたイルミネーションで、メインツリーには作中のキーアイテムである「魔法の薔薇」を設置。さらに、主人公の美女・ベルを象徴する黄色のドレスカラーに輝く光のタワーが、鮮やかに、そしてロマンチックな夜を演出する。
横浜では、横浜赤レンガ倉庫が本場ドイツ・ケルンのクリスマスマーケットの世界観を再現したイルミネーションが話題になっている。同イベントは今年で8年目の開催となるが、イルミネーションだけでなく、会場内に立ち並ぶヒュッテと呼ばれる木の屋台でホットワインやソーセージ、シュトーレンなどのフードやドリンクも楽しめるとあって、全国でもリピーターの多いイルミネーションイベントの一つだ。
もちろん、関東だけでなく関西でもイルミネーションは盛んだ。
紅葉目当ての観光客で賑わう京都でも、大規模イルミネーションの草分けともいうべき、老舗のイルミネーションイベントが今年も催される。
電子部品企業大手のローム株式会社は毎年、社会貢献の一環としてローム本社周辺及び名倉公園にて観覧無料の大規模な電飾を行っているが、なんと今年で19 回目の開催となる。今回は「Lighting Circus」をテーマに、86万個の電球を灯す。京都市最大規模のイルミネーションイベントで、ローム シンフォニックバンドによる恒例のオープニングコンサートの他、土日には楽しいパフォーマンスショーや大学生アカペラコンサートなども開催される。今年は初めて名倉公園での参加型イベントも実施され、大人も子どもも楽しめるイベントとなっている。
寒くなってくると、外に出掛けるのがついつい億劫になってしまうものだが、この季節だけにしか見られない輝きもある。無料で観覧できるところも多いので、今年はぜひ、近くのイルミネーションイベントに出掛けてみてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)