2度の台風上陸で小売業は大打撃 10月のコンビニ・スーパー・百貨店売上
2017年11月24日 22:47
各業界団体の発表によると、10月の小売業の売上は、2週連続の台風上陸を始めとして雨天が多かったことから、いずれも低調に終わったことが分かった。
【こちらも】全国スーパー販売額、10月は前年比1.9%減 野菜の価格下落響く
■コンビニは来店客数の減少が響く
20日、日本フランチャイズチェーン協会が発表した2017年10月度の「コンビニエンスストア統計調査月報」によると、店舗売上高は全店ベースで約9,052億円となり、前年同月比で+0.4%と56カ月連続プラスとなった。しかし既存店ベースでは7,949億円で、-1.8%と5カ月連続の前年同月比マイナスだった。
客単価は、全店(前年同月比+2.8%、4カ月連続プラス)既存店(同+3.2%、31カ月連続プラス)とも上昇したものの、客数が全店(同-2.4%、2カ月ぶりのマイナス)、既存店(同-4.9%、20カ月連続のマイナス)ともにマイナスになったことが影響した。
また全店ベースでのわずかなプラスも、店舗数の増加(平成28年10月:5万4,007店→29年10月:5万5,341店、増加率:+2.5%)を加味すれば厳しい状況と言えそうだ。
■スーパーでは好調な畜産品と苦戦した農産品
21日、日本チェーンストア協会が発表した2017年10月度の「チェーンストア販売概況」によると、総販売額は約1兆590億円で前年同月比-1.9%(店舗調整後、以下同じ)だった。
分野別では、サービス(構成比0.3%、前年同月比+6.2%、以下同じ)、畜産品(8.2%、+5.5%)などが前年を上回った反面、農産品(9.1%、-9.9%)、日用雑貨品(7.9%、-7.6%)、家電製品(1.1%、-10.6%)などが下回った。
商品別では「畜産品は、牛肉、豚肉、鶏肉ともに好調」の一方「人参、キャベツ、玉ねぎ、きゅうり、カット野菜などは苦戦」と解説している。
■外国人売上は過去最高を更新も国内顧客が奮わず
21日、日本百貨店協会が発表した2017年10月度の「全国・東京地区百貨店売上高」によると、売上高総額は約4,693億円で、前年同月比で-1.3%(店舗数調整後)と3カ月ぶりのマイナスだった。
資料によると、中国の祝日の1つである中秋節が10月にずれて国慶節と合わさったこともあり、「外国人売上高が280億円余(シェア6.0%/87.3%増)と過去最高を大きく更新した」ものの、国内顧客は天候の影響で落ち込んだ。
商品別では、化粧品(構成比:9.3%、前年同月比:+20.1%、以下同じ)美術・宝飾・貴金属(6.1%、+5.8%)が前年を上回ったものの、衣料品(12.9%、-4.3%)、家庭用品(4.0%、-10.5%)、生鮮食品(4.9%、-5.6%)などが売上を落としている。
11月は天候こそ安定しているものの、寒波の到来が消費動向に影響を与えそうだ。小売業の売上はどうなるだろうか。(記事:県田勢・記事一覧を見る)