オムロン、設備の「健康状態」を見える化 エッジクロスの第一歩か
2017年11月23日 06:53
オムロンは20日、製造現場の稼働状況を人にかわって監視する「状態監視機器」4シリーズを11月29日より順次発売すると発表した。7日に発表した「エッジクロス・コンソーシアム設立」との連携が叶えば、製造現場でのIoT(Internet of Things)化は、大きく前進するであろう。
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製造現場での自動化に拍車がかかる今日、設備の故障や不具合を回避する状態監視への期待は大きい。今回の発表が、単なる「状態監視機器」なのか、「エッジクロス」への橋渡しなのかは、今後明らかになるであろう。
●エッジクロス・コンソーシアム
アドバンテック、オムロン、NEC、日本IBM、日本オラクル、三菱電機が6日に発表した製造現場のIoT化を支援する団体が「エッジクロス・コンソーシアム」だ。企業・産業の枠を超えて、エッジコンピューティング領域を軸に新たな付加価値を創出。オープンなIoTソフトウェアプラットフォームを構築する。
この構想の一つに、生産現場でのリアルタイム診断とフィードバックがある。「状態監視機器」4シリーズは、将来的に「エッジクロス」ソフトウェアプラットフォームをサポートする可能性がある。それは、顧客が優れたIoT機器を取捨選択できる環境が整うことを意味する。
●「状態監視機器」4シリーズ
製造現場での機器をモーターなどの動力系、冷却水などの循環系、製品を加工する機構系に分類し、各要素の変化をセンシング。寿命予知や故障への早期対応で、工場の稼働率を上げることが可能になる。
モーター状態監視機器は、三相インダクションモーターの振動、温度、電流、絶縁抵抗の状態変化を監視し、故障を予兆する。
ネットワーク付パワーサプライは、交換時期までの年数、積算稼働時間、出力電圧電流、ピーク電流を計測し、制御盤に組み込まれる電源の寿命・故障を予知する。
熱式液体流量センサーおよび液体圧力センサーは、流量と温度、圧力と温度をセンシングし、プレス機や成型機などの作動油や冷却水を監視する。
スマート状態監視アンプは、設備や機械に搭載されるアナログセンサーのネットワークを安価に構築し、IoT化を実現する。
●製造現場のIoT(オムロン、「状態監視機器」)のテクノロジー
「状態監視機器」は、今まで見えなかった設備・装置の「健康状態」を常に可視化することで設備の状態異常を事前に検知し、生産ラインを保全、生産性を維持する。そして、自社の製造現場でも実証して、改良を継続していることが強みであろう。
この「状態監視機器」が「エッジクロス」のソフトウェアプラットフォームで稼働すれば、優れたIoT機器を選択して、より強固な製造現場を構築できる。(記事:小池豊・記事一覧を見る)