野村不動産などが計画する名古屋市錦2丁目再開発、市が組合設立を認可

2017年11月21日 22:09

 野村不動産、旭化成不動産レジデンス、エヌ・ティ・ティ都市開発、長谷工コーポレーションが、名古屋市中区の錦2丁目地区で計画する「錦2丁目7番第一種市街地再開発事業」で、名古屋市は20日、再開発組合の設立を認可した。空洞化が深刻な地区内をA、B2棟の再開発ビルに再整備する事業で、権利変換計画の認可などを経て2021年度の完成を目指す。

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計画によると、場所は日本銀行名古屋支店東南の約0.7ヘクタール。地下1階、地上30階建て延べ約4万5,100平方メートルのA棟、地上5階建て延べ約4,700平方メートルのB棟を建てる。

 A棟は1、2階に店舗や生活支援施設、3、4階に高齢者住宅、5~30階に分譲住宅約350戸を入れる予定。高さは111メートルで、地域のランドマークの役割を果たすほか、帰宅困難者の一時避難スペース、備蓄倉庫を備えて防災機能も持たせる。B棟は店舗と駐車場で構成される。高層の生活空間とにぎわいの創出が狙いだ。

 市街地再開発組合には野村不動産など4社が組合員として加入する。このうち、長谷工コーポレーションは特定業務代行者も務める。

 錦2丁目地区はJR名古屋駅から東へ約1.5キロ。地下鉄桜通線、鶴舞線の丸の内駅、東山線、鶴舞線の伏見駅から徒歩3分の位置にある。かつて日本三大繊維問屋街に数えられるなど隆盛を極めた時期もあったが、産業構造の変化で空きビルや駐車場が増加して街の空洞化が進行している。

 地元住民や企業がまちづくり協議会を設立、今後の街づくり方針として「あいちトリエンナーレ」や「ゑびす祭り」などイベントの継続実施と、都市の低炭素化に貢献する低炭素モデル地区事業の展開を打ち出している。さらに、地域の将来像として街づくり構想をまとめ、新たに居住機能の追加を計画していた。

 名古屋市はJRや近鉄、名鉄が集まる名古屋駅地区と、都心の商業拠点の栄地区を2つの核とし、広小路通りなど東西に走る幹線路でつなぐ「2核1軸構想」を展開している。錦2丁目地区は2核の中間にある伏見エリアにあり、今回の再開発が伏見エリアリーディングプロジェクトの1つになる。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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