NYの視点:米CPI&小売り、12月の追加利上げを後押し
2017年11月16日 07:50
*07:50JST NYの視点:米CPI&小売り、12月の追加利上げを後押し
米労働省が発表した10月消費者物価指数(CPI)で変動の激しいエネルギー、食品を除いたコア指数は前年比+1.8%と、予想外に9月の+1.7%から上昇。1月来の上昇で、4月来の高水準となった。特にコア指数は、連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注目しており、12月の追加利上げを後押しする。
米国経済の7割は消費が占めることから、景気動向を占うために注目される小売売上高も堅調な伸びを示し、12月の利上げを支援する結果となった。10月の小売売上高は前月比+0.2%となった。伸びは9月+1.9%から鈍化したものの予想は上回った。9月分も+1.9%と、+1.6%から上方修正された。ハリケーンの影響で自動車販売が強かった。自動車、軽トラックの販売は、2005年来で最高を記録した9月のペースからは減速。
そのほか、家具、電化製品、レストラン、衣料品、運動用具など全般的に売り上げが加速。一方で、ガソリン価格の下落で、ガソリンスタンドの売り上げは減少した。衣料品店の売り上げは0.8%増、家具店、電化店の売り上げは0.7%増、レストランの売り上げは0.8%増。運動用具店の売り上げは1.5%増となった。ガソリンスタンドの売り上げは1.2%減。
国内総生産(GDP)の算出に用いられる食品、自動車、建材、ガソリンを除いたコア指数は前月比+0.3%と予想に一致。9月分は+0.4%から+0.5%へ上方修正された。9月分の上方修正に加えて、10月の広範な小売りの伸びは、消費が継続して10−12月期の経済をけん引している証拠となった。安定した雇用や資産価値の上昇、安定したインフレが消費につながった。米商務省と類似したモデルを使用しているとして市場関係者が注目しているアトランタ連銀の10−12月期国内総生産(GDP)の成長予測は3.2%。見通し通りとなると、今年の経済は1−3月期を除いて、3%台の成長を実現できることになる。《CS》