読書習慣がある人は減少 主に紙媒体利用は9割以上に

2017年11月16日 08:43

 クロス・マーケティングは、3カ月以内に読んだ本の冊数などのほか、紙の書籍と電子書籍の利用実態・利用意向について把握することを目的に調査を実施。また、2015年に実施した読書に関する調査結果を元に、読書習慣の有無と読書の好意度について今回の調査結果との比較を行った。

 まず、読書習慣の有無を、前回調査(2015年実施)と比較すると【読書習慣がある】割合が50.8%から39.4%と減少。 読書の好意度でも【読書は好き・計】(読書は好き+どちらかというと読書は好き)が74.1%から66.3%と減少しており、読書離れが叫ばれているようだが、確かに読書人口が少なくなっていることがうかがえる。

 読書をしない理由としては、【忙しい】が40.7%で最多となり、 読書に使える時間がないことが大きな理由のようだ。ワークライフバランスや働き方改革の推進で、時間的余裕が生まれ始めてはいるが、読書には結びついていないようだ。今後一層の推進が期待されているが、他の媒体や娯楽的コンテンツの拡充・成長も著しく、利用意向が変化してきている事を考えると読書人口が増えていくかは疑問である。一方、日本の誇る文化であるマンガは根強い人気があり、以前にもまして勢いを感じる程である。マンガは、読者側の感覚がライト化してきている事と併せて、作者側の表現方法も多様化しているなか、高い芸術性や文学性、哲学的要素、笑いや感動などを含んだ表現媒体で今後も大きな可能性を秘めているといえる。

 読書をする理由・目的では【単純に読書が面白いから】が66.8%とで最多。次いで【教養を深めるため】(34.0%)、 【読解力や文章力向上などの自己投資】(22.2%)と続いた。小説に没頭する、というよりは自身のスキルアップの手段や自己啓発として気軽に書籍を活用する傾向がみられた。

 近年では電子書籍サービスも充実してきており、実際に読書を習慣にしている人は、紙媒体の書籍と電子書籍のどちらを主に利用しているのか。やはり馴染みのある方を主に利用するという人が多いのか、紙媒体の書籍で読むという人が94.1%と圧倒的多数を占めるという結果となった。主に紙の書籍利用する人と、主に電子書籍を利用する人に、それぞれ異なる読書手段の利用意向を聴取すると、紙の書籍派の約半数が電子書籍の利用意向がない結果となり、紙の書籍を好む人は他の手段を使いたがらない傾向が感じられた。

 一方で、紙の書籍と電子書籍を使い分けるという人は23.5%となった。紙の書籍と電子書籍を使い分ける人の意見としては、「通勤中など短時間は電子書籍。休日など長時間は紙。」「装丁が綺麗なものは紙媒体で、とりあえず読んでみようというものは電子書籍。」「本当に欲しい作家さんの物は購入して、その場限りの興味深い物は電子で購入することが多い。」など、手元に置いておきたい大事なものはやはりアナログが重宝されるようで、電子ファイルに強い愛着を感じる人は少ないようだ。調査結果には項目がないが、個人的には本の匂いや手触りなど、五感を刺激される点もアナログならでは重要なポイントで、愛着へ繋がる要因であると感じる。(編集担当:久保田雄城)

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