スーパーコンピュータ「京」、性能指標で3期連続の世界1位を達成
2017年11月16日 06:55
理化学研究所(理研)と富士通は、スーパーコンピュータ「京(けい)」が、国際ランキングHPCGで3期連続の第1位を獲得したと発表した。
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京は、理研と富士通が共同で開発を行い、2012年から運用されている計算速度10ペタフロップス級のスーパーコンピュータである。
「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」は、産業利用などの実際的なアプリケーション使用に際する、共益勾配法と呼ばれる処理速度の測定によってスーパーコンピュータの序列を格付けするランキングである。その結果は、ハイパフォーマンス・コンピューティング(高性能計算技術)に関する世界最高峰の国際会議、SC17において発表された。
スーパーコンピュータの格付けと一口に言っても、実はこのHPCGの他にもさまざまなものがある。よく知られているのが「TOP500」である。TOP500は、連立一次方程式の処理速度を測定し、ベンチマーク・スコアを算定、コンピュータを格付けするものだ。1993年以来20年以上に渡ってプロジェクトが続けられているが、そのためもあって方法論が古くなり、実際の実用上の処理能力とその順位づけとの乖離が指摘されるようになっていた。なお、TOP500では、「京」はいま世界10位であり、中国の「神威太湖之光」に約9倍の差を付けられている。
HPCGにおける京の優位は、実用の面においては京がなおもスーパーコンピュータの最高峰に位置付けられる存在であることを証明していると、関係者は語る。
ちなみに、また別の性能ランキングとしてGraph500というものもある。こちらは2010年に登場したもので、大量のデータのグラフ解析を行うための性能を競うものである。こちらにおいても、京は神威太湖之光に対して優位を示し、今年6月には5期連続での世界1位を獲得している。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)