日本ガイシと仏シュナイダー、大規模蓄電システムを世界規模で共同拡販

2017年11月15日 21:56

 日本ガイシと仏シュナイダーエレクトリックは11月8日、日本ガイシのNAS電池とシュナイダーエレクトリックのインバーター「Conext Core XC ES」を組み合わせた大容量蓄電システムの世界規模での共同拡販に関する覚書を10月20日に締結したと発表した。

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 世界中で太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの利用推進が盛んだ。それは、資源が枯渇することなく繰り返し使え、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となるCO2をほとんど排出しない優れたエネルギーだからである。

 このように優れたクリーンなエネルギーである一方、気候に左右される不安定なエネルギーの側面を持つ。この再生エネルギーの出力変動を二次電池による充放電で吸収し、電力供給を安定化させることが可能だ。

 再生エネルギーの出力変動の吸収以外にも、昼間と夜間の電力使用量を調整するピークカットによる電力契約料金の低減や非常用電源としても活用できる。

 今回の発表は、日本ガイシのメガワット級の大容量二次電池技術(NAS電池)とシュナイダーエレクトリックのエネルギーマネジメント技術(Conext Core XC ES)を融合させて、世界規模の拡販を目指すものである。なお、運転試験は、2016年11月に既に完了しているという。

●NAS電池とは

 NAS電池は、日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の電力貯蔵システムだ。大容量、高エネルギー密度、長寿命を特長とし、鉛蓄電池の3分の1のサイズで、15年の長期にわたって安定した電力供給が可能である。そのため、定置型の大規模な電力貯蔵に適している。

 電力負荷平準によるピークカット、再生可能エネルギーの安定化、非常電源を用途とし、全世界で約200カ所、総出力53万キロワット、総容量370万キロワット時以上の設置実績がある。

 NAS電池の構造は、負極にナトリウム(Na)、正極に硫黄(S)、両電極を隔てる電解質にファインセラミックスを用いる。硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す原理である。レアメタルを使用しないことも特長の一つである。

●「Conext Core XC ES」とは

 「Conext Core XC ES」は、系統連系エネルギー蓄電システム向けのセントラルインバーターだ。99.1%の効率を実現し、インバーターの出力電力を最大680kVA まで自由に設定可能という。

 シュナイダーエレクトリックは、世界100カ国以上で事業を展開。電力管理とオートメーションシステム分野のリーダーである。

●二次電池(NAS電池、日本ガイシ)のテクノロジー

 電気は貯められないという常識を覆し、世界で初めて大容量電力貯蔵システムNAS電池の実用化に成功したことであろう。

 2002年の事業化以来、全世界で約200カ所、総出力53万キロワット、総容量370万キロワット時以上の設置実績が強みといえる。(記事:小池豊・記事一覧を見る

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