「想定外」を想定する 仕事に必須の「リスク管理」【コンサルタントの技・プロアクティブ仕事術】
2017年11月13日 19:04
【連載第6回】「毎年同じことを繰り返せばいい」時代は終わり、能動的に先読みした仕事が求められるようになりました。世の中の変化が激しくなり、昔の通りに仕事をしていてはダメだと多くの人が気付いています。本連載では、仕事をデザインし、思い通りにプロジェクトを遂行していくための仕事のスキル「プロアクティブ仕事術」をご紹介します。
本連載は、書籍『プロアクティブ仕事術 コンサルタントが3年目までに身につける仕事をデザインする方法』(2017年7月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。
「想定外」が起きて右往左往するのは、検討不足が原因
順調に仕事がはかどっていると思うと、突然事件が起きて、思うように仕事が進まなくなることがあります。あるいは、事故が起きて、予定がくるってしまうこともあります。
こうしたことを「想定外」だったといって嘆いても、後の祭りです。
たとえば、プレゼン当日パソコンが壊れてプレゼンができなくなったことはないでしょうか。あるいは、説明資料を持った後輩が事故で到着が遅れて、資料配布ができなかったことはないでしょうか。
こうしたことは、日常茶飯事です。「想定外」なのではなく、単にあなたが想定していなかっただけなのです。
一方、本当に大事故も起きえます。地震で倉庫が壊れ出荷ができなくなったり、仕入先が倒産して商品が入らなくなったり、大きな事件・事故によって、思い通りに仕事が行かなくなることも起きるでしょう。
しかし、果たしてこうしたことは本当に「想定外」なのでしょうか。事前にリスクは見積もれないのでしょうか? そして、そのリスクに対し、どこまで対処すべきか事前に検討できないのでしょうか?
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プロアクティブ仕事術 コンサルタントが3年目までに身につける仕事をデザインする方法
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本書は、アクセンチュアなどでコンサルタントを務めた後、独立コンサルタントとして多くのプロジェクトに参画してきた著者が、コンサルティングの現場から学んだ仕事の「基本」を整理したものです。
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「想定外」を起こさないために必要なリスク管理
たいていの場合、リスクは事前に見積もれます。事前にできるだけ想定外を潰しておくのです。そうしないと、何か事がおきるたびに右往左往してしまいます。
たとえば、パソコンは必ず壊れると想定しておけば、バックアップとしてプレゼン資料をメモリスティックに入れておく、メールで事前に資料を送っておく、など対処できます。
説明資料も、複数人で分けて持つ、事前に送っておく、などの手もあります。こうした簡単にできるものもあります。
一方、地震や倒産は大ごとですから、個人ではなく会社としての対処になります。それでも、地震も必ず起きるものとして耐震化しておくことも可能であれば、倉庫を多拠点化しておくことも可能です。
仕入れ先は選定時に慎重に評価して選ぶこともできますし、商品によっては複数社から買うことでリスク分散することもできます。ある程度安全に在庫を保持しておくことも一つの手です。こうしたことはお金もかかるので、リスクの大きさ、影響度なども考慮し、どこまで手を打っておくべきか、きちんと考えておくことが重要です。
いずれにせよ、「想定外を潰しておくこと:リスク対応」は、きちんと仕事をすることを目指す人には必須のことなのです。
(次回に続く)
書籍著者:石川 和幸さん
早稲田大学政治経済学部政治学科卒、筑波大学大学院経営学修士。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、日本総合研究所などを経て、サステナビリティ・コンサルティングを設立、代表を務める。IE士補、TOCコンサルタント(Jonah資格)。専門は、ビジネスモデル構想、SCM構築導入、ERPシステム導入、管理指標導入、プロジェクトマネジメントなど。URL: http://www.susco.jp/ 元のページを表示 ≫