大相撲九州場所 衰えぬ大横綱・白鵬、40回目の優勝目指す
2017年11月11日 22:22
大相撲九州場所(福岡国際センター)は12日に初日を迎える。休場明けとなる横綱・白鵬はここまで、稽古場で連日、十両・幕内の関取との取り組みにおいて相手を圧倒するなど、好調ぶりが伝えられてきた。通算40回目の優勝という大記録を目の前にし、早くも今場所の本命との声も挙がっている。
■気力・体力ともに充実
「出場(場所)3連覇を目指す」と、今年最後となる九州場所を前に力強く宣言した白鵬。
名古屋場所では通算白星を歴代最多の1,050勝まで伸ばし、39回目の優勝を果たしたものの、続く秋場所を左ひざの痛みで全休。それでも九州場所の出場を早々に明言し、今月に入り、稽古場での調整を順調に仕上げてきた。
その中で「膝の痛みは気にならない。攻めも守りも好調」と本人もコメントし、ほぼ万全の状態で迎えられる九州場所に気力を漲らせている。9月場中には断食により体重を落とすことにも務めたと伝えられており、力士としての常識を覆し、孤高を極めんとする大横綱に休場明けのコンデションの心配も不要か。
■3横綱での激闘を
もう一つの注目はやはり他の横綱勢との取り組みだ。
先場所は日馬富士のみの出場。今場所は鶴竜の休場が決定しておりまた4横綱揃い踏みはならないものの、稀勢の里も復帰して3人の横綱の出場が決まり、2場所ぶりに横綱同士の取り組みが行われる。
一人横綱として身体を張った先場所では逆転での優勝を手にした日馬富士、さらには横綱に登り詰めてからは初となる稀勢の里との大一番も熱戦の期待が集まる。場所終盤、この3横綱の対戦が優勝争いの中で繰り広げられることこそ、ファンはもとより関係者からも求められる展開であることは言うまでもない。
9月場所、そして途中休場した3月・大阪場所と、土俵人生で初の年間2度の休場を経験した白鵬。それでも心・技・体を高められれば、他を圧倒する可能性は十二分だ。40回目の優勝を成し遂げるとともに、混迷の2017年の大相撲を締めくくるのはやはりこの男しかいないのではないか。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る)